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2019.05.22 13:00

ナディーン・ラバキー監督『存在のない子供たち』日本版予告編&ポスタービジュアルが解禁

  • Fan's Voice Staff

「12歳の少年が両親を告訴する」──中東の貧困、移民などの社会問題を背景とした衝撃作『存在のない子供たち』の日本版予告編とポスタービジュアルが解禁されました。

「両親を告訴する。こんな世の中に、僕を産んだから。」──予告編は、両親を告訴するという衝撃的なオープニングから心を鷲掴み、物語はひと息に過去へと遡らせ、その理由と経緯をつぶさに描き出します。まだ幼い少年が切に発した言葉の真意とは。中東のスラムという、日本からは地理的・心情的に遥か遠い地域を舞台としながらも、懸命に生きようとする少年の成長物語という普遍性が、観客へ魂の共鳴をもたらします。

苛烈なまでの中東の貧困と移民の問題に、一歩もひるむことなく果敢に挑んだ監督は、レバノンで生まれ育ったナディーン・ラバキー。監督・脚本・主演を務めたデビュー作『キャラメル』がいきなりカンヌ国際映画祭の監督週間で上映された逸材です。

リサーチ期間に3年を費やし、監督が目撃し経験したことを盛り込んでフィクションに仕上げた本作。主人公ゼインを始め出演者のほとんどは、演じる役柄によく似た境遇にある素人を集めました。感情を「ありのまま」に出して自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとった結果、リアリティを突き詰めながらも、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を観る者の心に深く刻み込みます。

ゼインが求めているもの、それはすべての子供たちにあるはずの〈愛される権利〉。彼の長い旅路に胸を締め付けられながらも、一筋の光を求めて、新たなる出発の無事と幸運を祈らずにはいられない慟哭の物語です。

『存在のない子供たち』は昨年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて審査員賞、エキュメニカル審査員賞を受賞。ゴールデン・グローブ賞およびアカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされました。ラバキーは現在開催中のカンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉の審査員長を務めています。

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『存在のない子供たち』(原題:Capharnaüm)

監督・脚本・出演/ナディーン・ラバキー
出演/ゼイン・アル・ラフィーア、ヨルダノス・シフェラウ、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ
2018/レバノン、フランス/カラー/アラビア語/125分/シネマスコープ/5.1ch/PG12/字幕翻訳:高部義之

日本公開/2019年7月、シネスイッチ 銀座ほか全国公開
配給/キノフィルムズ/木下グループ
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