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2019.05.18 8:35

【最速レビュー】タロン・エジャトン主演のエルトン・ジョン伝記映画『ロケットマン』

  • Atsuko Tatsuta

英国ロック界のレジェンド、エルトン・ジョン。彼の知られざる素顔と半生を描いた『ロケットマン』が第72回カンヌ国際映画祭でワールドプレミアされた。

途中降板したブライアン・シンガーからバトンタッチし『ボヘミアン・ラプソディ』を大成功に導いたデクスター・フレッチャーが監督を手がけ、『キングスマン』シリーズで大ブレイクした英俳優タロン・エジャトンが主演するミュージカル伝記映画である。

ロンドン郊外の庶民的な町で育ったレジナルド・ケネス・ドワイトは、4歳の時にピアノに興味を持ったことから、類まれな音楽の才能を開花させる。両親が離婚し、母親と祖母に育てられた”リジー”は、やがてロックに目覚め、エルトン・ジョンという名前でシンガーソングライターとしての才能を開花させていく。

ストーリーは、世界で最も売れたソロ・ソングライターで、サーの称号をもつエルトン・ジョンの成功の物語というより、風変わりな少年の成長の旅。幼い頃から求めても手に入らなかった父親の愛への渇望、ホモセクシャルという自分のセクシャリティに対する困惑、女性との短い結婚生活、デビュー時から彼の作詞を手がけてきたバーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)との友情、マネージャーで愛人だったジョン・リード(リチャード・マッデン)との愛憎と確執、そしてそうした重圧や葛藤から逃避するためのアルコールおよび薬物の依存症など、ひとりの人間としての真実に迫る。エルトン・ジョン本人がプロデュースを手がけているだけあり、これまでに決して明るみに出なかったエピソードも満載だ。

そのすべてを、エルトンのたっての希望により、タロン・エジャトンがすべて自ら歌いこなす。そのパフォーマンスも見事だ。

シリアスな内容も含むが、エルトン・ジョンの特徴でもあるド派手なパフォーマンスやミュージカル仕立ての語り口が功を奏して、楽しく陽気な後味を残す。

“ピアノマン”の異名をとるエルトンは、世界的成功の足がかりとなった名曲「ユア・ソング」などバラードの印象も強いが、観客は、英国ロック界きってのパフォーマーの真骨頂を再発見することだろう。

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『ロケットマン』(原題:Rocketman)

監督/デクスター・フレッチャー
脚本/リー・ホール
製作/マシュー・ヴォーン、エルトン・ジョン
キャスト/タロン・エジャトン(タロン・エジャトン)、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデン
全米公開/2019年5月31日(予定)

日本公開/2019年8月23日(金) 全国ロードショー!
配給/東和ピクチャーズ
公式サイト
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