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2019.05.07 7:00

『誰もがそれを知っている』アスガー・ファルハディのインタビュー映像が到着

  • Fan's Voice Staff

『別離』(11年)と『セールスマン』(16年)でアカデミー賞外国語映画賞を2度制覇したイランの名匠アスガー・ファルハディ監督。その47歳の誕生日を記念して、最新作『誰もがそれを知っている』について監督自身が語るインタビュー映像が到着しました。

1972年5月7日にイランに生まれたアスガー・ファルハディは、息つまるほどのスリリングなストーリー展開で観るものを夢中にさせる脚本と、演出の巧みさ、そして人間と社会を多面的に捉える確かな観察眼で評価されている中東を代表する監督です。日本でも「撮った作品全てが傑作」と語る熱狂的ファンの多く持つことで知られています。

『ROMA/ローマ』のアルフォンソ・キュアロン監督(57歳)や『レヴェナント 蘇えりし者』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督(55歳)といったメキシコ勢や、『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督(45歳)といった東欧勢、『万引き家族』の是枝裕和監督(56歳)、『スノー・ピアサー』のポン・ジュノ監督(49歳)といった東アジア勢の名匠たちと並び、今世界が最も注目する監督の一人といっていいでしょう。

本作は、監督が母国イランを離れ、オールスペインロケに挑んだ野心作。15年前のスペイン旅行で目にした、壁に貼られた行方不明の子どもの写真に着想を得て以来、ずっと温め続けてきたストーリーを映画化するにあたって、「すべてはスペインで始まったことだから、構想を練る時にスペインは切り離せなかった。他の国でこの作品を撮ることはできないよ。現実に基づいてるからね」とファルハディは語っています。

主演は、“スペインで最も有名な夫婦”であるスター俳優のペネロペ・クルスとハビエル・バルデム。以前から友人だったペネロペとファルハディですが、ファルハディは4年前に、スペインを舞台とする本作の構想があることをペネロペに打ち明け、彼女と夫のバルデムを当て書きして、脚本を執筆しました。

結婚後初の共演となった2人との仕事について、監督は「最高の経験になった。彼らは几帳面なんだ。毎日撮影現場に来ると必ずと言っていいほど役柄についてたくさん質問してきた。あらゆることに気を配り、実に正確なんだ」と明かしました。

「物語の序盤で二人を見た観客は、(役柄上は幼なじみであり)恋人同士ではないのに、ある関係性を感じ取れる。そうすることで物語が進行しやすくなる」と、その巧みな演出手腕を感じさせる意図を語ります。

「(本作のサスペンス要素は)映画の別次元の層に到達するための道具であり手段だ」という意味深なメッセージで締めくくる監督。最後まで観終えて『誰もがそれを知っている』というタイトルが指し示すものを知ったとき、私たちはどんな境地にたどり着くのか──?

故郷スペインに里帰りした主人公ラウラは、久々に家族や幼なじみと再会しますが、妹の結婚式の最中に娘が失踪。その行方を探すうちに、隠していたはずの真実をめぐり家族の秘密が露呈し、嘘がほころび始めます……。ファルハディ監督の持ち味である濃密な脚本・演出と、新たに加わったキャストのスター性の融合は、まさに新境地となり、オープニング作品として上映された第71回カンヌ国際映画祭では絶賛の嵐!フランスではカンヌと同日に劇場公開を迎え、大ヒットを記録しました。

人間社会の裏に潜む普遍的なテーマを鋭く描き出す名匠が仕掛ける、家族の秘密と嘘をめぐる極上ヒューマン・サスペンス『誰もがそれを知っている』は6月1日公開!

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『誰もがそれを知っている』(英題:Everybody Knows)

監督・脚本/アスガー・ファルハディ
出演/ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、リカルド・ダリン 
2018年/スペイン・フランス・イタリア/スペイン語/133分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/日本語字幕:原田りえ

日本公開/2019年6月1日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
公式サイト
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