Column

2019.03.22 15:00

【来日インタビュー】『バンブルビー』のヒロインを演じたヘイリー・スタインフェルドの新しい挑戦とは?

  • Hikaru Tadano

SFアクション大作『トランスフォーマー』シリーズの中の人気キャラクター、バンブルビーを主人公にしたシリーズ最新作『バンブルビー』。

 

 

1987年のサンフランシスコを舞台に、父を亡くし人生に迷う18歳の少女チャーリーと、地球外生命体“バンブルビー”の出会いと友情を描いたハートウォーミングなドラマだ。

 

これまでの『トランスフォーマー』シリーズとは一線を画す本作の主人公チャーリーを演じるのは、コーエン兄弟の『トゥルー・グリット』(10年)で14歳にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされて以来、さまざまなタイプの作品に出演しキャリアを築いてきた若き演技派ヘイリー・スタインフェルド。ミュージシャンとしても活動し、またMiu Miuのキャンペーンにも登場するなどファッション・アイコンとしても注目されるヘイリーの新たなる挑戦とは?

 

 

──主演のチャーリー役に決まったとき、どう感じましたか?

「『トランスフォーマー』シリーズに参加できること決まったときは、とても興奮しましたし、光栄に思いました。最初は、『バンブルビー』は、『トランスフォーマー』とは違ったタイプの作品で、大作ではなくもうちょっと小さいヒューマン・ドラマ、つまり人間味について語る作品だと思っていました。大きなロボットたちが戦うといった、みんなに愛されてきたこのシリーズらしい要素がありながらも、もっと異なる作品だと思っていました。実際にアメリカで公開されてから、こんな大きなシリーズの作品の一つに出たんだなと気が付きました。でも本作は、中でもより親密な特別な作品になったと思います」

 

──出演が決まってから、シリーズをすべて見直したそうですけど、それ以前から観ていたのですか?

「『バンブルビー』に出演が決まる前から、作品ごとに観ていました。兄がカーレーサーでメカニックで、車やスピードといったモータースポーツ的なものが好きで、”トランスフォーマー的”なものに興味がありました。第1作目は、公開時に兄と一緒に観たのを覚えています。兄と同じものを観て、それを気に入るということがほとんどなかった中で、ふたりとも気に入った数少ない作品になりました。これが最初の『トランスフォーマー』体験でした」

 

──マイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー』シリーズは日本でもとても有名ですが、『バンブルビー』は、『トランスフォーマー』シリーズを初めて観る人でも楽しめる作品になっていますね。

過去の作品を観ていなくても、楽しめる作品になっていると思います。なぜなら、今回はキャラクターに趣をおいて展開する物語だから。心温まる楽しい、人間味に溢れる感動的なストーリーで、これは、今までの『トランスフォーマー』シリーズとは違う点です。とはいいながらも、素晴らしいアクションや特殊効果のような、みんなが好きな”トランスフォーマー的”要素もきちんとあります。

 

 

──チャーリーという少女が主人公であったり、バンブルビーがトランスフォームするのがアメ車のカマロから、フォルクスワーゲンのビートルに変更されていることによって、これまでの『トランスフォーマー』シリーズの作品と比べると、よりガーリーなテイストになっていますね。あなたの世代の女性観客がより楽しめる作品になったと思いますか?

はい、もちろん。いろいろな意味で、これは『トランスフォーマー』シリーズの中でも、最も心に響き、共感できる作品になったと思います。その理由のひとつは、若い18歳の女の子が主人公の映画であること。チャーリーは、スーパーパワーを持ったスーパーヒーローじゃないけれど、スーパーヒーロー的な資質を持っていると思います。チャーリーには世界を相手にするだけの力があるわけで、若い女性の観客には、自分を知り、ありのままの自分でいれば、特別な能力などなくて良いということに気づいてもらうのが重要です。人生は複雑で、自分は誰なのか見失って、混乱する時もあります。チャーリーも、回り道をしながらも自分の能力や居場所を見出し、それを乗り越えていきます。この映画が最も心に響く、共感できる作品なのは、その年頃でそういった誰もが経験することを、素直に描いているからなのです。

 

──バンブルビーの可愛らしさを観客は新たに発見すると思いますか。

バンブルビーがどこから来て、どんな風にこれまで私たちが知っていたバンブルビーになるのか、ということを観客はこの映画で知ることになります。彼は、とても感情豊かなキャラクターです。トラヴィス・ナイト(『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』)は、アニメーション出身の監督ということもありますが、こうした金属生命体にとても人間味を与えてくれています。バンブルビーの感情を目の当たりにすることによって、私たちも本当に心を動かされます。本当に彼は感動的な性格です。愛するペットのような面もあり、頼れる兄のようでもあり、弟的なところもある。愛らしいところ、時にはびっくりするような勇敢な力強いところもあります。

 

 

──物語の舞台となっている80年代で面白いと思うことは?

両親から80年代についていろいろ聞きました。それにトラヴィス・ナイトは80年代に少年時代を過ごし、トランスフォーマーのアニメやフィギュアのファンになったので、彼からも話を聞きました。そういう監督が作り出す世界観は、本当にリアルなもので、間違いはないと思いました。80年代は今とは違うので、私にとっては新しいこともたくさんありました。たとえば、空間やその当時使われていた機械とかも。(チャーリーが乗っていた)原付バイクとかは、私にはまったく馴染みのないものでした。でも、混乱することもなく、場違い的に思うこともなかったのは、監督がすべて用意周到に準備し、必要に応じて説明してくれたからです。

 

──この作品が『トランスフォーマー』シリーズの中で、最も心に響く作品になったのは、トラヴィス・ナイト監督の功績によるところが大きいのではないでしょうか。ナイト監督はどんなところが特別なのでしょうか?

たくさんあります。まず思いつくのは、トラヴィス・ナイトは、作品ができる前に、すべてを理路整然と私たちに説明してくれる術に長けているところ。どういう作品を作ろうとしているのかを、全キャストやクルーに対して口頭で明確に伝えられるだけでなく、トランスフォーマーが登場するシーンでは絵コンテを用意し、そこでロボットと私たちに何が起こるのかを、わかりやすく説明してくれました。素晴らしいストーリーテラーです。

 

ヘイリー・スタインフェルド(中央左)とトラヴィス・ナイト監督

 

──バンブルビーというCGキャラクターとの共演はグリーンバックでの撮影も多かったと思いますが、これはあなたの今後のキャリアにどう影響するのでしょうか?

どんな役でも毎回、新しいことに挑戦したいと思っています。感情的なものだったり、肉体的なものだったりと、役によっていろいろありますし、日々求められることがあったり、役自体が挑戦だったりしますがね。この作品に関しては、肉体的なチャレンジもありましたが、感情面での挑戦もありました。なにもない相手に向かって演じなければなりませんでしたので。CGを使った作品も初めてというわけではありませんでしたが、今回のように、“棒に刺さったテニスボール”相手に演技をして映画を一本撮るということはありませんでした。私としても2週間、正気を保ってきちんと演技をすることができれば、なにかが達成できたってことではないかと思っていたので、上手くいって本当によかったです。こうして挑戦し、達成できたことは、俳優として多少の成長が感じられたので、嬉しく思います。

 

 

Hailee Steinfeld(ヘイリー・スタインフェルド)

1996年、カリフォルニア州サウザンドオークス生まれ。14歳の時、ジョエル&イーサン・コーエン監督のウェスタン『トゥルー・グリッド』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた他、さまざまな映画賞を受賞し、脚光を浴びる。その後もジョン・カーニーの『はじまりのうた』(13年)、『ピッチ・パーフェクト』シリーズなど多様な作品に出演。大ヒットアニメ『スパイダーマン:スパイダーバース』(18年)ではグウェン・ステイシー/スパイダーグウェンの声を努めている。女優の傍ら、ミュージシャンとしても活動。イタリアのブランドMiu Miuの2011-2012秋冬シーズンのキャンペーンにも登場するなど多方面で活躍している。

 

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『バンブルビー』(原題:Bumblebee)

自分の居場所を見つけられない思春期の少女チャーリーは、海沿いの小さな廃品置き場で、ボロボロの黄色い車を見つける。「バンブルビー」と名付け、修理したこの車が、やがて普通の車ではないと気づくのに、時間はかからなかったー。1987年、まだ地球は平和な生活を送っていた。その時までは。

 

監督/トラヴィス・ナイト
原案/クリスティーナ・ホドソン
脚本/クリスティーナ・ホドソン、ケリー・フレモン・クレイグ
製作/ドン・マーフィ、トム・デサント、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、マイケル・ベイ
製作総指揮/スティーヴン・スピルバーグ、ブライアン・ゴールドナー、マーク・ヴァーラディアン、クリス・プリガム
キャスト/ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボーグJr.、ジョン・オーティス、ジェイソン・ドラッカー、パメラ・アドロン、ステファン・シュナイダー
全米公開:2018年12月21日

 

日本公開/2019年3月22日(金)全国ロードショー
配給/東和ピクチャーズ
公式サイト
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