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2019.02.27 11:00

『天国でまた会おう』原作者ピエール・ルメートルのインタビュー映像が公開

  • Fan's Voice Staff

2018年セザール賞13部門ノミネート・5部門受賞を果たしたフランス映画『天国でまた会おう』の原作者ピエール・ルメートルのインタビュー映像が公開されました。

自身の著作が初めて映画化されたことについて、「小説家の夢だね。小説と映画の違いに関わらず非常に感動的な経験だ」と語るルメートル。映画化にあたって原作からいくつか変更が出ている点について、「もし映画がさらなる価値を提案していなければ、映画化の意味はない。そのために様々な要素を変え、取り去り、追加することは避けられない。同じ物語だが、違う視点から別の方法で見て、新たな世界をもたらさなければならないのだ」と話します。映画のラストシーンは原作とは全く違う形で描かれますが、脚本を推敲する中でこの場面について悩んでいたアルベール・デュポンテル監督から相談をされた際、ルメートルは“映画と小説は別のものだから、君の好きにすればいいよ”と背中を押したと明かします。

原作で登場する仮面とは違った多くの仮面が登場することについて、「仮面は私の想像とは違った。私が執筆の参考にしたのは美術館で撮った写真だった。監督は映画化するために作品の視覚的な面に力を入れた。仮面も私の想像とは異なっているが、物語にはぴったりだろう。アルベール・デュポンテルが作品にもたらした要素には私がイメージしたかったものがたくさんある」と、映画ならではの世界観を称賛。

完成した映画を観たルメートルは、「完璧に成功した映画化の素晴らしいお手本だ」と絶賛し、「上映中は全編にわたって驚きの連続だった。追加された場面、消滅したエピソード、想像しなかった場所、私が描かなかった時代……才気あふれる驚きばかりで、私は最も幸福な小説家だった。この映画をひと言で語るのに、立派で重厚な言葉はいらない。“感動”に尽きる」と語ります。

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『天国でまた会おう』(英題:See You Up There)

1918年、休戦目前の西部戦線。生き埋めにされたアルベールを救ったエドゥアールは、その時に顔に重傷を負ってしまう。パリに戻った二人を待っていたのは、戦没者は称えるのに帰還兵には冷たい世間だった。仕事も恋人も失ったアルベールと、生還を家族にひた隠しにするエドゥアール。そこに、声を失ったエドゥアールの想いを“通訳”する少女が加わった。一度は負けた人生を巻き返すために、彼らは国を相手にひと儲けする大胆な詐欺を企てる。だが、そこには隠された本当の目的があった──。

監督/アルベール・デュポンテル
原作/ピエール・ルメートル「天国でまた会おう」(平岡敦訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)
脚本/アルベール・デュポンテル、ピエール・ルメートル
出演/ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート、アルベール・デュポンテル、ロラン・ラフィット、ニエル・アレストリュプ、エミリー・ドゥケンヌ、メラニー・ティエリー
原題:Au Revoir Là-Haut/2017年/フランス/フランス語/117分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語字幕:加藤リツ子/PG-12

日本公開/2019年3月1日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
配給/キノフィルムズ/木下グループ
© 2017 STADENN PROD. – MANCHESTER FILMS – GAUMONT – France 2 CINEMA
場面写真:©Jérôme Prébois / ADCB Films