Column

2018.12.11 12:00

【インタビュー】ドルフ・ラングレンが『クリード 炎の宿敵』復帰の思いを語る

  • Fan's Voice Staff

『クリード チャンプを継ぐ男』の待望の続編『クリード 炎の宿敵』が2019年1月11日(金)に公開されます。

『クリード 炎の宿敵』では、主人公アドニス・クリードと師匠ロッキーの前に新たな最強の宿敵が登場。なんと『ロッキー4/炎の友情』(85年)でアドニスの父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子、ヴィクターです。アポロは、ソ連から送り込まれたドラゴとのエキシビジョンマッチに挑み、猛烈なパンチを浴び続け、ついには帰らぬ人となってしまいます。ライバルの死後、ロッキーはそのドラゴに挑み、15ラウンドの死闘の果てに、ライバルであり親友だったアポロの雪辱を果たしました。

『ロッキー4/炎の友情』(85年)でイワン・ドラゴ役に抜擢され、一躍脚光を浴びたドルフ・ラングレン。その後も精力的にアクション映画に出演し、シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーらが活躍する群雄割拠の80~90年代ハリウッドアクション界において堅実にキャリアを重ねてきました。

『クリード 炎の宿敵』で33年ぶりにイワン・ドラゴを演じるドルフが、『ロッキー』シリーズについての思いや、5度目の共演となるスタローンとの友情、役作りへのこだわりを語りました。

再びイワン・ドラゴ役のオファーを受けた時、「少し驚いたよ。2年前くらい前に、僕はスライ(シルベスター・スタローン)から、『ドラゴとロッキーを再登場させるというアイデアがあるんだ』と聞いた。彼は、『父親たちの罪がコンセプトだ』といっていた。つまり、アドニス・クリードと僕の息子(ヴィクター)が戦うということだった」と述懐します。でもドルフは、再びドラゴを演じることを躊躇したそう。「僕は、またあの役を演じることにそれほど意欲的じゃなかった。なぜなら、『ロッキー4/炎の友情』はとてもパワフルだったし、僕のキャラクターは80年代のままでいるべきだと思ったからだ」と振り返りながらも、「でも、脚本を読んだとき、ゆっくりと気持ちが変わったんだ」と、スタローンとチェオ・ホダリ・コーカーらによる脚本に心が動き出演を決めたことを明かします。

いざ演じるとなると、役作りにはとてもこだわったドルフ。「もちろん彼のバックストーリーからとりかかったよ。33年前、彼に何が起きたのか?彼は何を経験したのか?脚本に書かれてあったこともあるけど、僕が作り上げたものもある。さらに、過去33年にわたる僕自身の人生での葛藤からも持ち込んだ。困難だったことや、結婚、離婚、子供たちとのこと、僕の肉体的なこと、キャリアの浮き沈みなどからね。肉体的には、もっと疲れ切っていて、もっと弱っているように見せようとした。歯が少し悪くなっていて、髪の毛は白髪になっているとかね」。そして「監督のアイデアだったんだけど、衣装をだぼだぼのものにした。着ているとき、服が僕にぶら下がっているように見えるようにね。だから、僕はあまり健康そうには見えない。強いけど、健康的には見えないんだ。かつて屈辱を味わったこの男に、人間としての弱さと、負のオーラを蓄積させたんだ。彼が失ったものを取り戻すためには何でもやって、復讐しようとする男にするためにね」と、ドラゴが過ごしてきた33年間を体現する役作りの秘密を語ります。

5度目の共演となるシルベスター・スタローンと、再びドラゴ対ロッキーとして顔を合わせた時の気持ちは複雑だったよう。「リング上で向かい合ったとき、凄まじいフラッシュバックに襲われたよ。僕たちはアドニスやヴィクターたちと一緒にリング上にいて、お互いを睨み合っていた。1985年、僕たちがあの有名なシーンでそうしたようにね。僕は33年後の今も、彼を睨み倒していた。それはなんだか不思議で、夢を見ているみたいだった。僕はスタローンと5本もの映画を一緒にやっていて、お互いのことはよく知っている。でもこのシーンで、二人の男たちの過去の敵対心がよみがえって来たと思う」と明かします。

『ロッキー4/炎の友情』を継ぐ『クリード 炎の宿敵』とは、「ストーリー全体は、アポロ・クリードがこのソ連のファイターに、ラスベガスのリングで33年前に殺されたということに基づいている。アポロ・クリードは、親友ロッキー・バルボアの腕の中で死んだ。そしてアポロには、彼の知らなかった息子がいた。その子供は、今やヘビー級の世界チャンピオンなんだ」と、物語の骨格を解説。そして、ドラゴ親子が33年の時を経て宿命の対決に挑みます。「挑戦するのに、彼の父親を殺した男の息子以上の人はいないだろう?とてもシェイクスピア的だ。素晴らしいアイデアだ」とコメント。

そして、ドルフ・ラングレンの俳優魂に火をつけたのが、脚本に込められたドラマ。「ただボクシングについてだけではなく、人生や死について描いているんだ。この2人が一緒にリングに入る時、まったく違う重みが生まれるんだよ。もちろん、イワン・ドラゴとロッキーがいて、彼らの対立がサイド・ストーリーとして進行していく。『ロッキー4/炎の友情』は、根本的にはアメリカのシステム対ソ連のシステムについて描いていた。本作はより家族についてフォーカスしているんだ。僕やロッキー、そしてアドニス、みんなを描いているんだよ」と、激烈なファイトシーンに重なる“家族のドラマ”が観客たちの魂を震わせると語ります。

かつてアポロをリングに沈めた“殺人マシーン”イワン・ドラゴ。息子を携え再登場した彼は、どんな思いで戦いに挑むのか。ドルフ・ラングレンの俳優としてすべてを注いで生まれた、新たなイワン・ドラゴが醸しだすドラマに大いに期待!マイケル・B・ジョーダンとシルベスター・スタローンが世界中の〈父と息子〉に贈る、興奮と感動が魂を震わせる映画『クリード 炎の宿敵』は、2019年1月11日(金)より全国ロードショー。

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『クリード 炎の宿敵』(原題:Creed II)

ロッキーの指導の下、世界チャンピオンに上り詰めたアドニスのもとに、かつて父アポロをリングで殺したイワン・ドラゴの息子ヴィクターとの対戦話が舞い込む。父に復讐を誓ったアドニスは、ロッキーの反対を押し切り因縁の一戦に臨むことにする。試合はヴィクターの反則行為により勝利したものの、納得のいく勝利を飾れなかったアドニスは、心身ともに調子を崩してしまう。同時に、婚約者のビアンカの出産も控え、父親になることへの不安も抱えていた。アドニスの母親から頼まれたロッキーは、父親がいない環境で育ったアドニスに父親という存在の大切さをアドバイスする。父親となったアドニスはしばらく一線から遠のいていたが、「ボクシングが自分そのものだ」と気づき、ついにヴィクターとの再戦を決意する。父の復讐のため、師匠ロッキーのため、愛する家族のため、そして、<偉大な父>を超えるため――。 アドニスがリングに上がる本当の意味に気づいた時、リングの先で見つけた人生の<答え>とは──。

出演/シルベスター・スタローン、マイケル・B・ジョーダン
監督/スティーブン・ケープル・Jr.
全米公開/2018年11月21日

日本公開/2019年1月11日(金)全国ロードショー
配給/ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
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