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2018.08.03 6:59

『バンクシーを盗んだ男』に登場する“世界一眺めの悪いホテル”ウォールド・オフ・ホテルとは?【独占画像有り】

  • Fan's Voice Staff

政治的メッセージを込めたグラフィティで知られる覆面グラフィティ・アーティスト・バンクシー。2007年に、パレスチナのベツレヘムの分離壁に描いた絵画をモチーフに、彼の絵がもたらす影響力に迫るドキュメンタリー『バンクシーを盗んだ男』。

紛争地区に指定されているパレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘム。そこにはパレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁が存在する。2007年にバンクシーは、欧米のアーティストを招聘し、パレスチナ側の分離壁にグラフィティを描かせる。自らも6点の作品を残したが、その1枚、「ロバと兵士」が現地で反感を買い、怒った地元住民が壁面ごと絵を切り取って、売りさばき終いにはオークションへとかけてしまう事態に──。

『バンクシーを盗んだ男』は、世界的な影響力を持つバンクシーという人物、そして数千万円~1億円という超高額で取引される彼のアートが、紛争地区をはじめ世界の人々にもたらす影響に追ったドキュメンタリー作品です。ナレーションを務めるのは、ロック界の生ける伝説イギ―・ポップ。

また、映画にも登場するのが2017年3月にオープンした、バンクシーがプロデュースした「ウォールド・オフ・ホテル(The Walled Off Hotel)」。

イスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸を分断する壁からわずか4メートルの距離にあり、ホテルの全室から分離壁を見渡すことができるため”世界一眺めの悪いホテル”と呼ばれるこのホテル。「パレスチナ人の苦境に、少しでも多くの皆さんが関心を寄せてくれたら…」というバンクシーのメッセージが込められた、バンクシーの想いが詰まったホテルです。

The Walled Off Hotelは、単に宿泊客にオリジナルのアメニティや豪華なスパを提供するのではなく『パレスチナ人の苦境に対する認知度を上げる』のが最大の目的。そのためには、イスラエルの厳しい監視によって大きなダメージを受けたイスラエルとパレスチナを行き来する巡礼者、観光経済中心で成り立っているベツレヘムに仕事を生み出し、旅行客を呼び戻すことも目標としています。

「今回の目的はファンとの対話ではなく、いつもテルアビブのクラブに足を運び、週末を楽しんでいるイスラエルの若者との対話を生み出すことだ」(バンクシー)

作中にはこのホテルの支配人も登場しており、「興味深いのは客室から見える風景」「分離・分離壁について理解が深まり、またパレスチナ人の暮らしが分かるでしょう」と話しています。

さらに本作より今回初解禁となる画像も到着。

ホテルの入口脇に立つ、ベルボーイ姿のサルの像

ホテルのコンシェルジュの像

世界を挑発し続けるアーティスト、バンクシーと彼の影響力に迫るドキュメンタリー『バンクシーを盗んだ男』は、8月4日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開です。

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『バンクシーを盗んだ男』(原題:The Man Who Stole Banksy)

正体不明の覆面グラフィティアーティスト・バンクシー。彼はパレスチナ・ヨルダン川西岸地区ベツレヘムの壁に「ロバと兵士」の絵を描いた。これが地元住民の怒りをかい、タクシー運転手のワリドがウォータージェットカッターでその壁を切り取った。ワリドは大手インターネットオークションサイト「eBay」に出品し、最高額の入札者に売ろうと試みるのだ。この巨大なコンクリートの壁画はベツレヘムから海を渡り、美術収集家たちが待つ高級オークションハウスへ送られることになる。バンクシー、そして彼の描いた絵がもたらす影響力をたどっていくと見えてくるものとは…?!

監督/マルコ・プロゼルピオ
ナレーション/イギ―・ポップ
2018年/イギリス・イタリア/カラー/デジタル/英語/93分/映倫区分:G

日本公開/2018年8月4日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開
配給/シンカ
提供/シンカ、スキップ、パルコ
協力/アニモプロデュース
公式サイト
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