マーク・ウェブ監督が語る「『さよなら、僕のマンハッタン』はバケーションのような楽しい撮影だった!」
- Fan's Voice Staff
大学を卒業後、自分の人生を見いだせずにいた青年トーマスが、謎の隣人と父の愛人との出会いから、今まで知らなかった新しい世界を見いだす青春ドラマ『さよなら、僕のマンハッタン』。4月14日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国順次公開予定のマーク・ウェブ監督最新作です。
『gifted/ギフテッド』、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでも知られるウェブ監督がインディペンデントに戻り青春ドラマを描くのは、『(500)のサマー』以来8年ぶり。音楽愛に溢れたハイセンスな作風の『(500)日のサマー』でセンセーショナルなデビューを飾ったウェブ監督が本作の脚本に出会ったのは、『サマー』より前とのこと。『さよなら、僕のマンハッタン』は、10年以上の歳月をかけて映画化にこぎつけて渾身の一作です。
初めて読んだ時からずっと心をつかんでいるこの脚本の魅力は2つあるとウェブ監督はいいます。
「まず、ずっと頭から離れないシーンがありました。ジョハンナとトーマスでの最初のシーンで、彼女が”人はいつも無意識に行動をしてしまうものよ”と言う場面です。彼らが初めて出会ったときの会話は本質を突いていてとても考えさせられるものでした。私はこの先の展開を知りたくなりました。そのときのジョハンナのセリフはある意味現実となるわけで、私はこのシーンに引き込まれました。脚本を読んでいて、どんどん次の展開を知りたくるのです。これが1点目です。もう1点は、ジェフ・ブリッジス演じるW.F.ジェラルドとトーマスの関係性です。男性同士のこういった友情は珍しいですし、これには少し願望も含まれています。ジェラルドのようなメンターとの関係性は希少です」と、主人公トーマスとW.F.ジェラルドの関係性には自身の願望も投影されていることを明らかにしました。
NYはこの映画の“もうひとりの主役”ともいえる存在ですが、監督にとってもかつては憧れ、今は、拠点として暮らす街。作中の”ニューヨークはソウル(魂)を失ってしまった”というセリフには、監督の思いが反映されているのでしょううか。
「この脚本は何年も前に書かれたので、私たちが練り直しました。若い人たちの意見は悲観的ですが、私はこの街に関して変わらないのは自己批判できるということだと思います。人々は常に”70年代はよかった””80年代はよかった”などと言っています。私が信じているのはニューヨークが常に進化していること、そして驚くほど雑然としていると同時に美しい街であることです。人種や文化のるつぼというアメリカの側面を象徴しつつ、全くダメな要素もある。それらが全て集約されていて、物語を描くにはピッタリの環境なのです」
『(500)日のサマー』、『gifted/ギフテッド』そして『さよなら、僕のマンハッタン』といった小規模のヒューマン・ドラマを得意とする一方、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでは、ハリウッド超大作にも進出したウェブ監督ですが、その体験はどのように彼の映画製作に影響を与えたのでしょうか。
「『アメイジング・スパイダーマン』を撮る前は、撮影がどんな感じになるか気になりましたが、撮影後に役者たちと交わす会話は同じでした。同様に、技術、展開、カタルシスやニュアンスについて考えますし、多くの側面で似ていました。違いと言えば、準備や人々の期待、そして作品が関わる様々なもののスケールですが、それは制作とは別のことです。これらの違いはありますが、まったく違ったアプローチはできません。注目されず期待に応えなくてはというプレッシャーもない、解放された気分でしたよ。映画のクリエイティブな要素を全て集結させ、自分たちが作りたい作品を作れたことは素晴らしかったです。ファンの子供がコスチュームについてどう思うかな、と心配する必要もありませんしね。とても楽しめました」と語りました。
『さよなら、僕のマンハッタン』の撮影は、「楽しくてウキウキする、まるでバケーションのような撮影でした。映画制作における11番目の戒律は”なんじ、ジェフ・ブリッジスと映画を作れ”ですね(笑)」と心から楽しんだ様子。憧れのジェフ・ブリッジスとの仕事ができたことの興奮を垣間見せてくれました。
本作で悩める主人公トーマスを演じるのは、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(11月23日公開予定)の出演も控える若手俳優カラム・ターナー。他、ジェフ・ブリッジス、ケイト・ベッキンセール、ピアース・ブロスナン、シンシア・ニクソン、カーシー・クレモンズなど新旧豪華キャストが共演を果たしています。
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『さよなら、僕のマンハッタン』(原題:The Only Living Boy in New York)
大学卒業を機に親元を離れたトーマスは、風変わりな隣人W.F.ジェラルドと出会い、人生のアドバイスを受けることに。ある日、想いを寄せるミミと行ったナイトクラブで、父と愛人ジョハンナの密会を目撃してしまう。W.Fの助言を受けながらジョハンナを父から引き離そうと躍起になるうちに、彼女の底知れない魅力に溺れていく。退屈な日々に舞い降りた二つの出会いが彼を予想もしていなかった自身と家族の物語に直面させることになる・・・。
監督/マーク・ウェブ
脚本/アラン・ローブ
出演/カラム・ターナー、ケイト・ベッキンセール、ピアース・ブロスナン、シンシア・ニクソン、ジェフ・ブリッジス、カーシー・クレモンズ
劇中曲/「ニューヨークの少年」サイモン&ガーファンクル
2017年/アメリカ/英語/88分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch
日本公開/4月14日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国順次公開
提供/バップ、ロングライド
配給/ロングライド
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