第90回アカデミー賞はギレルモ・デル・トロの『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞、監督賞ほか4部門を制覇!
- Fan's Voice Staff
新しい扉が開かれました!
第90回アカデミー賞は、ギレルモ・デル・トロの『シェイプ・オブ・ウォーター』が、作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の4部門で受賞!
作品賞受賞のステージで、デル・トロ監督は、「先日、スピルバーグに“受賞したらレガシーの一部になる”と言われた。状況を変えようとしてる世界中の若い人に言いたい。私は、メキシコで育ったが、子供の頃、こういったことが起こることは想像していなかった。切り開いて欲しい」と感動のスピーチ!
『シェイプ・オブ・ウォーター』は、言葉を話さない女性とアマゾンから連れて来られた謎の生物との純愛を描くファンタジーです。メキシコ出身の鬼才ならではの、弱気ものへのまざなしとクリーチャーなどへの偏愛が詰まったギレルモ・デル・トロの集大成が、ハリウッドの仲間たちにも支持された証しです。
主演女優賞を受賞した『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドは、メリル・ストリープをはじめとする会場にいる女性たちを立たせて、(その少なさから)いかに映画界がいまだに男性社会かということを世界に示しました。「私たちにはそれぞれストーリーがあります。ぜひ話しに来てください!」とメッセージを送りました。この感動のスピーチは、アカデミー賞の歴史に名スピーチとして残ることは間違いありません。
他にも、今年のアカデミー賞は多くの分野で、差別や偏見や寛容といったテーマを内包した、ダイバーシティを扱った作品が受賞しました!
長編アニメ、外国語映画賞は、その象徴。
長編アニメ賞は、大ヒット、ディズニー/ピクサー作品『リメンバー・ミー』! 子供向けながら、メキシコの“死者の日”をモチーフにし、死というテーマを掘り下げた野心的な作品。大人が観ても感動的です。カラフルな色彩や楽しい音楽などラテンのノリが楽しい。
外国語映画賞は、チリの『ナチュラルウーマン』。差別や偏見にさらされながらも自分らしい人生をおくろうと闘うトランスジェンダーの主人公を、自らもトランスジェンダーの歌手ダニエラ・ベガが演じています。まさに、時代を象徴するような注目作です。日本では現在公開中です。
俳優賞は、ほぼ下馬評通り。
助演男優は、初ノミネートで初受賞となったサム・ロックウェル。名バイプレイヤーがついに受賞です。「スリー・ビルボード」では、同じ助演男優部門にウディ・ハレルソンも含めています。「スリー・ビルボード」は、個性派俳優たちのアンサンブル・キャストがそれぞれの味を出し切った、見どころがいっぱいの傑作。
助演女優賞は、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』で、アリソン・ジャネイ。フィギュアスケート界のスキャンダル、トーニャ・ハーニングのなんとも恐ろしく、また哀しいお母を演じています。
撮影賞は、巨匠ロジャー・ディーキンスが14回目のノミネートで初受賞!
メイクアップ賞は、「ウインストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でゲイリー・オールドマンをチャーチルに特殊メークを施した辻一弘さんとそのチームに!辻さんは、3度目のノミネートで初の受賞。
最近では、ハリウッドを離れて現代美術の道で活動していた辻さんですが、今回は、ゲイリー・オールドマンから直々にメールをもらい「あながた(メークの)仕事をしてくれるなら、この役を引き受けるけれど、あなたにやってもらえないなら、この作品は諦める」といったそう。その言葉に心動かされ、辻さんはこの仕事を引き受けたそうですが、映画におけるチャーチル=ゲイリーの表情は、つくりものとは思えないリアルさ!日本では 3月30日に公開です!
下記が受賞リストです(★=受賞)。
【作品賞】
★「シェイプ・オブ・ウォーター」
「スリー・ビルボード」
「ダンケルク」
「君の名前で僕を呼んで」
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
「ゲット・アウト」
「レディ・バード」
「ファントム・スレッド」
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
【監督賞】
★ギレルモ・デル・トロ 「シェイプ・オブ・ウォーター」
クリストファー・ノーラン 「ダンケルク」
グレタ・ガーウィグ 「レディ・バード」
ポール・トーマス・アンダーソン 「ファントム・スレッド」
ジョーダン・ビール 「ゲット・アウト」
【外国語映画賞】
「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(スウェーデン)
★「ナチュラルウーマン」(チリ)
「The Insult 」(レバノン)
「ラブレス」(ロシア)
「心と体と」 (ハンガリー)
【主演男優賞】
ダニエル・カルルヤ 「ゲット・アウト」
ダニエル・デイ=ルイス 「ファントム・スレッド」
★ゲイリー・オールドマン 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
デンゼル・ワシントン 「Roman J. israel,Esq」(原題)
ティモシー・シャラメ 「君の名前で僕を呼んで」
【主演女優賞】
サリー・ホーキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」
マーゴット・ロビー 「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」
シアーシャ・ローナン 「レディ・バード」
メリル・ストリープ 「ペンダゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
★フランシス・マクドーマンド 「スリー・ビルボード」
【助演男優賞】
ウィレム・デフォー 「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」
リチャード・ジェンキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」
クリストファー・プラマー 「ゲティ家の身代金」
★サム・ロックウェル 「スリー・ビルボード」
ウディ・ハレルソン 「スリー・ビルボード」
【助演女優賞】
メアリー・J・ブライジ 「マッドバウンド 哀しき友情」
オクタヴィア・スペンサー 「シェイプ・オブ・ウォーター」
★アリソン・ジャネイ 「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」
ローリー・メトカーフ 「レディ・バード」
レスリー・マンヴィル「ファントム・スレッド」
【オリジナル脚本賞】
「ビック・シック」 エミリー・V・ゴードン、クメイル・ナンジニア
★「ゲット・アウト」 ジョーダン・ピール
「シェイプ・オブ・ウォーター」 ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー
「スリー・ビルボード」マーティン・マクドナー
「レディ・バード」 グレタ・ガーウィグ
【脚色賞】
★「君の名前で僕を呼んで」 ジェームス・アイボリー
「モリーズ・ゲーム」アーロン・ソーキン
「The Disaster Artist」 マイケル・H・ウェーバー他
「LOGAN/ローガン」 マイケル・グリーン、スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド
「マッドバウンド 哀しき友情」 ディー・リーズ、ヴァージル・ウィリアムズ
【撮影賞】
「ブレードランナー2049 」 ロジャー・ディーキンス
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」ブルーノ・デボネル
「ダンケルク」ホイテ・ヴァン・ホイテマ
「マッドバウンド」レイチェル・モリソン
「シェイプ・オブ・ウォーター」 ダン・ロスセン
【美術賞/プロダクション・デザイン】
「ブレードランナー2049」
「ダンケルク」
「美女と野獣」
★「シェイプ・オブ・ウォーター」
「ウィンストン・チャーチル」
【衣装賞】
「美女と野獣」 ジャクリーン・デュラン
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」ジャクリーン・デュラン
★「ファントム・スレッド」 マーク・ブリッジス
「ヴィクトリア&アブドゥル」コンスコラータ・ボイル
「シェイプ・オブ・ウォーター」ルイス・セキエラ
【ヘア&メイクアップ賞】
「ワンダー」
★「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」辻一弘ほか
「ヴィクトリア&アブドゥル」
【音響編集賞/サウンド・エディティング】
「ベイビー・ドライバー」
★「ダンケルク」
「ブレードランナー2049」
「シェイプ・オブ・ウォーター」
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
【録音賞/サウンド・ミキシング】
「ベイビー・ドライバー」
「シェイプ・オブ・ウォーター」
★「ダンケルク」
「ブレードランナー2049」
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
【作曲賞/オリジナル・スコア】
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
「スリー・ビルボード」
★「シェイプ・オブ・ウォーター」アレクサンドル・デスプラ
「ダンケルク」
「ファントム・スレッド」
【視覚効果賞/ビジュアル・エフェクト】
★「ブレードランナー2049」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」
「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
「キングコング/髑髏島の巨神」
【編集賞】
★「ダンケルク」
「ベイビー・ドライバー」
「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」
「スリー・ビルボード」
「シェイプ・オブ・ウォーター」
【歌曲賞/オリジナルソング】
★“リメンバー・ミー” 「リメンバー・ミー」
“ミステリー・オブ・ラブ” 「君の名前で僕を呼んで」
“mighty river” 「Mudbound」
“Stand up for Something” 「Marshall」
“This is Me” 「ザ・グレイティスト・ショーマン」
【長編アニメーション】
★「リメンバー・ミー」
「ボス・ベイビー」
「The Breadwinner」
「Ferdinand」
「Loving Vincent」
【短編アニメーション】
★「ディア・バスケットボール/Dear Basketball 」
「Gorden Party」
「Lou」
「Negative Space」
「Revolting Rhymes」
【実写短編映画】
「DeKalb Elementary」
「The Eleven O’Clock」
「My Nephew Emmett」
★「ザ・サイレント・チャイルド」
「Watu Wote/All of Us」
【長編ドキュメンタリー】
「Abacus:Small Enough to Jail」
「顔たち、ところどころ」
★「イカロス」 ダン・コーガン、ブライアン・フォーゲル
「アレッポ 最後の男たち」
「ストロング・アイランド」
【短編ドキュメンタリー】
★「ヘブン・イズ・トラフィック ・ジャム・オン・ザ・405」
「Edith+Edith」
「ヘロイン×ヒロイン」
「Knife Skills」
「Traffic Stop」