『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の邦題変更問題について、ジェームス・ガン監督との対話
- 6o6acchi
日本で海外の映画が公開される際、作品タイトルが変更されることは少なくない。私も洋画ファンのひとりとして、プロモーション的に仕方ないこととは思いながらも、毎回、忸怩たる想いを抱えている。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(以下、GotG)の続編のタイトルが本国で『Guardians of the Galaxy Vol.2』に決定したと発表された時、私は邦題の変更はないだろうと思っていた。なぜなら、この作品における”Vol.2″に込められた意味が痛いほどわかるからだ。
日本での副題が『リミックス』に決まったことが発表された時、私は最初、新しいサントラCDが発売されるのだと思っていた。しかし、よく読んでみると「Vol.2の邦題が”リミックス”に決定した」という内容であった。
自分が愛する『GotG』、その続編のタイトル変更、原題に込められた意味を無下にするともいえる仕打ちに我慢ができなかった私は、本作の監督であるジェームズ・ガン氏に直接その想いを伝えるため、Twitter上でメッセージを送ることにした。
@JamesGunn Did you know that the title of “GotG vol.2 ” has been changed to “GotG remix” in Japan? This is quite a bummer:(
— ベネディクト・カンぼばっち (@bobacchi) 2016年12月14日
“あなたは『GotG Vol.2』のタイトルが『GotG リミックス』に変更されたことを知っていますか?私はとてもがっかりしました。”
すると驚くべきことに、彼から直接返事が届いたのだ。
yes I do. They insisted it was a better title for Japan and we okayed it. You don’t like it?
— James Gunn (@JamesGunn) 2016年12月14日
“知っています。彼らは日本ではこのタイトルのほうが良いと主張したから私達はオッケーしたんだ。君は気に入らないの?”
“insist”は”強要、要求、言い張る”といった相手側の強い主張を意味することばであるため、私はもしかしたら監督自身もあまり気に入ってないのかもしれないと思い、続けて
I don’t like it very much and neither does my friends. It got us all confused.
— ベネディクト・カンぼばっち (@bobacchi) 2016年12月15日
“私と私の友人たちもあまり好きではありません。そのタイトルは私達を混乱させました。”
”remix”sounds like remake version or something.”vol.2″ sounds accurate and more intriguing for the sequel of GotG.
— ベネディクト・カンぼばっち (@bobacchi) 2016年12月15日
“”リミックス”はまるでリメイク版か何かに思えます。”Vol.2″のほうが続編らしいタイトルであると思います。”
と送信した。監督本人には伝えていなかったが、個人的に”リミックス”というタイトルがとてつもなくダサいという想いもあったのだ。私自身はタイトルを変えてほしい、戻してほしいというワケではなく、単にこういう考え方の日本人もいるということを伝えたかっただけである。
その後、他のファンや日頃から映画の邦題に不満をもつ方たちをも巻き込んだ騒動になり、最終的には監督自らがタイトルの差し戻しを掛け合ってくれる事態にまで発展してしまった。
I hear and respect my Japanese fans. I’ll do what I can to change the title back to Vol. 2, if it is not too late. https://t.co/pTVKDguBDH
— James Gunn (@JamesGunn) 2016年12月15日
“私に届いている日本のファンたちの声を尊重します。もしまだ間に合うならタイトルを”Vol.2″に戻せるようやれるだけやってみます。”
このことに関しては監督にご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
結果的にタイトルが元に戻ることこそなかったが、ガン監督が我々ファンの声を聞き、それに応えてくれたことを、私は忘れないだろう。そして、”Vol.2″であれ”リミックス”であれ、この作品を楽むことに変わりはないのだが。
映画会社の方には、邦題を決める際にファンの意向も少し、考慮して欲しいものだ。