【最速レビュー】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』 愛、笑、涙、家族。これぞガーディアンズ!
- Kyo Togawa
※本記事には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』 に関するネタバレが含まれます。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)が公開されてから3年、ついに続編となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17年)が5月12日(金)に国内公開される。
この続編では、前作で明かされなかったピーター・クイルの両親の謎が明かされる。観賞後に浮かんできた言葉といえば、「笑」「愛」「家族」「仲間」といった感じになるだろう。前作にはなかった要素や、前作よりもっと良くなった部分がいくつも目についたのが非常によかった。
例えば、前作でもコメディの要素はあったが今作はさらにコメディの要素があり、それが物語の中で有効に使われている。特に注目すべきところは、前作で小さくなってしまったグルートだ。彼はいわゆる“ボケ”の立ち位置にあり、彼がいることにより作中のシリアスな空気感が少なくなる。
“家族”という点では、前作にはなかったチームの団結力、つまり家族のような団結力を感じることができた。前作ではバラバラだったチームの結束力がアップし、硬い絆を感じた。また、冒頭の戦闘シーンでもわかるように、戦闘の仕方も前作から成長しているのではないだろうか。
そして「家族」といえば、ガモーラとネビュラ、そしてストーリーを牽引するピーターの父親についても忘れてはならない。今作ではネビュラとガモーラが姉妹で共闘するシーンが多々ある。最初は憎みあいガモーラを倒したいネビュラだったが、徐々に彼女らの間に起こったすれ違いも薄れていく。
そして今作で明らかになったピーターの父親は、ピーターが想像していた理想の父親とはまったく違い、ピーターや母を自分の野望を果たすための道具としか思っていなかった。だが、終盤のシーンでのヨンドゥの行動に、本当の父親は小さい頃から育てていたヨンドゥだったのかもしれない思い、彼がピーターを助けようと身を投げ出すシーンには”愛”を感じることができて思わず涙が出た。この気持ちはどこか『スタートレックⅡ カーンの逆襲』(82年)で、スポックがカーク達を助けるために犠牲になり亡くなった時に宇宙葬を行った時のシーンに似ている気がした(スポックのように生き返ってくれればいいが…)。
また、全体的な雰囲気としてコメディが強いため、どんな敵キャラでも強そうに見えない。
この金色の方々も本来なら相当強いのだろうが、ジェームズ・ガンの手によれば人を笑わせる材料になってしまう(特に戦闘機を遠隔で操作するシーンは、FPSをやっている人間のように見えて面白かった)。だが、そこがガーディアンズシリーズと他のMCU作品との違うところでもあり、正体不明の銀河の敵をシリアスに見せすぎないある。
また、邦画のタイトルの”リミックス”表記が物議を醸していた。たしかに前作からの絆や笑いの要素をみればvol.2だが、”愛”、”笑”、”仲間”、”家族”を合わせてひとつのリミックスと呼ぶには相応しいかもしれない。本作では、アベンジャーズシリーズに絡むような出来事はあまりなかったが、最後に出てくる”アダム”の正体や、今後のアベンジャーズとの絡み方、そして成長し反抗期になったグルートがいったいどうなるのか、次回作に期待したい。
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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
ならず者たちが行きがかり上、チームを結成し銀河系の危機を救うハメに! マーベル・シネマティック・ユニバースの中でも異色の”ヒーロー”たちが活躍するアクション・アドベンチャー映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)の第2弾。ピーター・クイル役のクリス・プラットを始めとするおなじみのキャストに加えて、カート・ラッセル、シルベスタ・スタローンなど大物スターも参戦。
監督/ジェームズ・ガン
製作/ケヴィン・ファイギ
出演/クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ヴィン・ディーゼル(声)、ブラッドリー・クーパー(声)他
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開/2017年5月12日