アースが入り乱れる?! MCUがいよいよ拡張を始めた!
- Kyo Togawa
ドクター・ストレンジの映画化について、期待したいポイントも含め、2つ注目したいポイントを上げてみる。
最近のハリウッド映画は人気タイトルの続編が多く、あまり新しい映画を作ろうとしない傾向にあると思う。そして、そういった映画には、二匹目のどじょうを狙って続編を作り、失敗したようなケースも多いように思う。
マーベルやDCコミックなどの「アメコミ実写化」は、コミック原作ではあるが、もともとたくさんいるコミック・ファンがその映画を観る確証、「ある程度不安がない収益」を得られる映画という意味では、収益が見込める安全牌なのかもしれない。
だが今回の『ドクター・ストレンジ』は、予告編を見ただけでも、低い志で作ったような映画ではまったくないと確信できる。
まずキャスト陣。
原作マーベルファンの私は、ドクター・ストレンジ実写化を知った時より、公表されたキャストを見た時の方が何千倍もの驚き、興奮した。
まずストレンジ役に“ベネディクト・カンバーバッチ”という配役がすでに、「この映画が注目すべき作品である」という理由の4割を占めている。
TVドラマシリーズ『SHERLOCK/シャーロック』や『スタートレック イントゥ・ダークネス』(2013年)、『裏切りのサーカス』(2012年)などを観たことがある方なら、彼の演技力がどれだけ高いものか知っているはず。そして何より、あんなにヒゲとストレンジのコスチュームが似合う人はもう彼以外いない(笑)。
彼のストレンジとしての演技と、そのルックスは一見の価値があるというものだ
他にも、『007/カジノロワイヤル』(2006年)に出演していたマッツ・ミケルセンや、カンバーバッチも出演していた『それでも夜は明ける』(2013年)」のキウェテル・イジョフォーなどかなり豪華なキャストが決定しているため、原作を観ていなくても、映画ファンなら思わず観てみたいと思うだろう。
だが、マーベル・ファンとしてはさらに注目すべきポイントがある。
それは、『ドクター・ストレンジ』公開後の今後のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の広がりについてだ。
以前、マーベル・データベースでマーベル・シネマティック・ユニバースのマルチバースの可能性についてのブログ記事を読んで知ったが、ドクター・ストレンジの監督が、サンディエゴ・コミコンで、要約すると映画でもコミックと同じように、アースが入り乱れることができるようになると発言していた。
そもそも原作コミックでは、宇宙がアースと呼ばれる次元に分かれていて、簡単に言えば多次元の世界を共有しているのがマーベル・コミックであり、映画でもアースの概念はあるが、今まで(大人の事情などもあるけれど)共有することはなかった。
それが『ドクター・ストレンジ』によって、MCUの世界が原作同様のマルチユニバースになりうるというのだ。
それもそのはず、ドクターストレンジに出てくる魔術師たちの魔法は、手や杖から炎を出すだけのような魔法ではなく、予告編を観ればわかる通り、世界や宇宙などをごちゃごちゃにできるようなレベルの魔法を使うからだ。
最近で言えば、原作ではレギュラーとして『アベンジャーズ』シリーズなどに登場しているスパイダーマンが『シビルウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)」に出演できた理由も、アース199999と呼ばれる世界に分類されるMCUの世界で新しくスパイダーマンを誕生させたからだ。
だがもし(大人の事情はともかく)アース間で共有できることになれば、複数のスパイダーマンが出演してスパイダーバース、FOXのX-MENたちと戦わせてアベンジャーズ VS. X-MENなど、原作の実写化のできる範囲が広がり、よりいっそうの興奮を味わうことになるだろう。
だから私は、この映画『ドクター・ストレンジ』をマーベル・シネマティック・ユニバース、もっと言えばマーベルの映像作品すべての可能性を広げる、今後につなげる重要な作品になると感じている。もっといえば、マーベルの未来を創り上げる新たなスタート地点となるのだ。