Column

2018.08.28 14:00

【単独インタビュー】森崎ウィン「10年後にはアカデミー賞を獲りたい!」目標はウィル・スミスとトム・ハンクス

  • Hikaru Tadano

世界興収600億円を突破する大ヒットを記録したスティーヴン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』。アーネスト・クラインのベストセラー小説「ゲームウォーズ」を実写映画化したこの作品は、荒廃した近未来で、VR(仮想世界)の世界を舞台にしたSFエンターテイメント大作です。

主演のタイ・シェリダンを始め、注目の若手俳優が結集したこの作品に、主要キャストのひとりダイトウ/トシロウ役として日本から大抜擢されたのが、森崎ウィンです。初の英語映画が、アカデミー監督である巨匠スピルバーグの大作という幸運に恵まれた森崎。「10年後には、アカデミー賞を受賞したい」という抱負を語る、“持ってる”気鋭俳優に単独インタビュー!

──8月22日(水)に『レディ・プレイヤー1』のブルーレイ&DVDが発売になりました。ハリウッド・デビュー作が話題の大作だったわけですが、公開後のリアクションはどんなものでしたか?
公開前は、正直、内容的に80年代のアニメやゲームなどの要素が多く入っているので、そのカルチャーを知らない人たちにどう受け取られるのかな、と思っていた部分もあったのです。が、公開されてみたら、幅広い年齢層の方々に観てもらえた。そこが一番、嬉しかったですね。そして、なによりもガンダム・ファンのみなさんに、叩かれなくてよかったな、とほっとしました。

──おっしゃるように若い世代はリアルタイムで知らない80年代ネタが多かったのですが、1990年生まれの森崎さん自身も、わからないネタが多かったのでは?
そうですね、正直、わからないことだらけです。僕自身もDVDで止めながら、チェックしながら見返したいとずっと思っていたくらいです。

──てんこ盛りの80年代カルチャーネタの中で最も惹かれたのはなんですか?
やっぱり音楽ですね。自分も「PrizmaX」というグループで音楽をやっているので。(予告編で使われていた)ヴァン・ヘイレンの『ジャンプ』とかは知っていました。小さい頃、祖母と住んでいたので、音楽に関しては聞いたことのあるものが多かったですね。ダリル・ホール&ジョン・オーツのあの曲(「ユー・メイク・マイ・ドリームス」)は好きで、ジムで走りながらよく聞いていたんです。なので、あの曲がエンディングで流れたときは、おおっって、本当に興奮しました。

──キングコングからハローキティまで数えきれないくらい多くのキャラクターが次々に登場しましたが、中でも好きなキャラクターはありますか?
敵対する相手ですけど、メカゴジラとか、好きですね。あとチャッキーが出てきたときも興奮しましたね。子供の頃に見たことがあったので。怖い映画でしたけどね。

──『チャイルドプレイ』のチャッキーですね!シリーズ化されてますからね。
ミャンマーにまだいた頃、DVDとかで見たんですけど。怖かったのでよく覚えているんです。

──俳優になろうと思ったのはどのようなきっかけですか?
中学2年生のときにスカウトされて、高校2年生のときにドラマデビューしたんです。撮影現場にいって、芝居していたら、それがすごく楽しかった。でも、自分の中では、正直なんとなくやっていた部分も多かったんだと思います。『レディ・プレイヤー1』への出演が決まって、改めて役者としてもちゃんと食べていけるようになりたいという気持ちが強くなりました。もちろん、その前から覚悟はあったつもりなんですけど、もっとよりいっそう勉強したいとか、もっと演技をしたいという欲求が出て来たんです」

──『レディ・プレイヤー1』のオーディションを受けるということ自体、大きなチャレンジだったと思うのですが。
オーディションは、『レディ・プレイヤー1』ということを知らずに受けたんです。最初は某ハリウッド作品としかいわれてなくて。日本でオーディションしているし、しかも俺みたいなものでも受けられるくらいだから、そんなに大きな作品じゃないだろうと漠然と思っていました。でも、大作ではなくても、自分にとってはものすごく大きな勉強になるから、と思ってオーディションを受けたんです。そうしたら、この作品だったんです。

──現場では日本でのドラマの撮影とは違う体験をしたのでしょうか。
そうですね。すべてにおいてスケールが大きいことがまずありますね。ひとつのシーンを撮るのにもものすごい時間をかけますし、作品を掛け持つということはほとんど聞かない。日本だと忙しい役者さんは、朝、映画撮って、夕方にはドラマを撮影しているなんてこともあります。それはそれでいいことだとは思うんですが、ひとつにかける集中力や、ひとつにかける情熱とかは、ハリウッドはまったく違いましたね。

──ハリウッド映画には、また出たいとおっしゃっていますが、今後、共演したい俳優さんはいますか?
もちろん。なんといってもウィル・スミスです。それとトム・ハンクスですね。ふたりともいい意味で、お芝居で人を黙らせることができる俳優だと思います。彼らの芝居を見ると、もう何もいえない。そんなふたりの芝居がとても好きなので、現場で一緒にやってみたいですね。

──ふたりはまったく違うタイプの俳優ですよね。
そうですね。ウィル・スミスは、『幸せのちから』(06年)がとても好きなんです。子供を抱えながらトイレの壁を蹴るというシーンがあるんですが、あのときの彼の涙は、テクニックじゃできないと思うんですね。さまざまな人生経験があった上でできた演技。後で、あのときの息子役が本当の息子(ジェイデン・スミス)だと知ってすごく驚きました。彼にもいろいろな時代もあったのかもしれない、ということを映画を通して感じれられましたね。トム・ハンクスは、『キャプテン・フィリップス』(13年)という比較的最近の作品があるんですけど、船を乗っ取った犯人が捕まって、トム・ハンクスが船の上で健康診断を受けているときの表情が“これ芝居なの?”って思うくらいリアルだった。人間的にも豊かな人で、結婚式場の前で、ちょうどトム・ハンクスがランニングしていて、誰かがトム・ハンクスだっていったらくるっと回ってきて、ツーショットの写メ撮るとか。そういう人間味のあふれる人らしいんです。

──今回は、VRゲームの中に入っていくプレイヤーというユニークなキャラクターでしたが、今後、やってみたい役はありますか?
アクション映画に出たいですね。キャラクターでいえば、僕は、まっすぐで熱い、っていうところがあるんですけど、その真逆の役をやってみたいですね。自分とギャップのある役。すごく嫌なやつとか、サイコパスのような冷酷な連続殺人犯とか。僕の中にある悪に対面したいという思いもあります。

──ロール・モデルとなる役はありますか?
バットマンシリーズの『ダークナイト』のジョーカーですね。ヒース・レジャーが演じていましたが、本当に素晴らしかった。名演です。ああいう役はやってみたいですね。

──そういう話もスピルバーグとしたのですか?
スピルバーグは、あんな悪いやつが出てくる映画つくりますかね?(笑)もっといい人の話とか、ファンタジーが多いですからね。

──では、一緒に仕事をしたい監督は?
うーん、誰でしょう?亡くなってしまっていますけど、スタンリー・キューブリックのような監督の作品には出てみたかったな、と思いますね。勉強がまだまだ足りないんで、いろいろな仕事するというのが先決ですけど。

──10年後にはアカデミー賞をとるという目標を公言していましたね。アカデミー賞を取るためには、何が必要だと思いますか?
必要なもの、学ぶべきものはまだまだいっぱいあると思います。でも、いちばん、大事なのは意志だと思います。どれだけ強く、思い続けることができるのか。身をもって証明したいですね。役者としても自信を持てるようになりたいと思っています。

──そのために始めていることは?
これまで芝居に対して、それほど向かい合ってこなかったと思っているんです。何をしていいのか、わからなかったというか。なのでまず、行動しよう、と。友だちの役者と知り合いの演出家がやっているワークショップに参加したり、アクションを習ったりしていますね。今は、刀も習っています。アジアの役者としては、刀を使えることはとてもアドバンテージですからね!。

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『レディ・プレイヤー1』(原題:Ready Player One)

さぁ、最高の初体験へ――。新世代 VR ワールド[オアシス]に仕掛けられた3つの謎を解け!
今から 27 年後の未来。経済が破綻を迎えた、荒廃した世界。人類はゴーグル1つですべての夢が実現する新世代のVRワールド[オアシス]に生きていた。 食べたり眠ったりトイレに行く以外は、すべてオアシスでやる。どんな夢も叶い、なりたい自分になれる場所。そこは現実では冴えない 17 歳のウェイドにとって、 唯一生きがいを感じる場所だった。 ある日、オアシスの天才創設者から全世界に遺言が配信される。“オアシスに眠る3つの謎を解いた者をこの世界の後継者にし、全財産 56 兆円を与える” 突然の宣告に世界中が湧き立ち、全人類の夢を懸けた壮大な争奪戦が始まった。ウェイドも仲間と共に参戦するが、世界を牛耳ろうとする巨大企業も出現し て…。仲間との友情、謎の美女アルテミスとの恋のゆくえ。想像を超えた戦いの先に勝利を手にするのは一体誰だ!

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/ザック・ペン
原作/アーネスト・クライン著「ゲームウォーズ」(SB文庫)
キャスト/タイ・シェリダン、オリビア・クック、マーク・ライランス、サイモン・ペッグ、T・J・ミラー、ベン・メンデルソーン、森崎ウィン

2018年7月25日(水)デジタルセル先行配信開始
2018年8月22日(水)ブルーレイ&DVD 発売・レンタル開始/デジタルレンタル配信開始

■ブルーレイ&DVDセット(2枚組)¥3,990+税
■【初回仕様】ブルーレイ&DVDセット(2枚組/ブックレット付)¥4,990+税
■【初回仕様】3D&2Dブルーレイセット(2枚組/ブックレット付)¥6,990+税
■【数量限定生産】プレミアム・エディション<4K ULTRA HD&3D&2D&特典ブルーレイセット> (7,000セット限定/4枚組/ブックレット付) ¥9,990+税

発売・販売元/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
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