Column

2018.03.30 19:33

トリビア満載!『ブラックパンサー』イースターエッグ・小ネタまとめ

  • Akira Shijo

※本記事には、映画『ブラックパンサー』、コミック「Marvel’s Avengers Infinity War Prelude」のネタバレが含まれます。

 

3月1日(木)に日本公開となったマーベル・スタジオ最新作『ブラックパンサー』。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画作品としては18作目であり、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)で初登場したブラックパンサーことティ・チャラを主役に据えた単独作。4月27日(金)公開予定の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へと繋がる重要な作品です。

 

すでに全世界で記録的な大ヒットを飛ばしている『ブラックパンサー』に隠された様々なトリビアや小ネタ、隠しネタ、そして元ネタとなった原作キャラクターなどを解説・考察・予想していきます!

 

始まりはオークランド

本作の冒頭、先王ティ・チャカが弟であるウンジョブを訪問するシーンの舞台となったのは、1992年のオークランドでした。

 

©Marvel Studios 2018

 

今回のヴィランであるエリック・”キルモンガー”・スティーブンスことウンジャダカを演じたマイケル・B・ジョーダンは、本作の監督であるライアン・クーグラーのデビュー作である『フルートベール駅で』(13年)に主演。同作は、2009年にオークランドで発生した白人警官による黒人男性オスカー・グラントの射殺事件をテーマにしていますが、クーグラー監督自身も同じくオークランドの出身です。

 

ウンジョブの部屋に貼られていた、ブラックパンサー党の創設者のひとりヒューイ・P・ニュートンの写真。ほかにも”PE”ことパブリック・エナミーのポスターなどがあった

 

黒人の自衛と解放を謳った政治組織、ブラックパンサー党(同じく黒豹の名を冠していますが、スタン・リーによるとコミックとは”無関係” )が結成された地でもあるオークランドから物語が始まるというのも、意味深なものを感じますね。

 

本作の海外版ポスター。上写真との類似性を指摘する声もある ©Marvel Studios 2017

 

また、1992年というのはロサンゼルス暴動が発生した年でもあります。韓国系アメリカ人やヒスパニックをも巻き込んだ人種間の軋轢が引き起こした大規模な暴動は多数の死傷者を出し、劇中でも同事件を思わせる中継映像を流すTV画面が映っていました。

 

僕はティム・ハーダウェイ

空き地でバスケに興じる少年たち。彼らの憧れの的であったティム・ハーダウェイは、当時オークランドを拠点とするプロチーム、ゴールデンステート・ウォリアーズに所属していたバスケットボール選手です。

 

外にグレイス・ジョーンズみたいな女が……

参考画像

 

ウンジョブのアパートにて、スパイとして活動していた若きズリが(白々しくも)ドーラ・ミラージュの一人を例えて言った言葉。ジャマイカ出身のグレイス・ジョーンズは、モデル・歌手として一世を風靡した女性です。

 

鋼の男ルーク・ケイジ

本作と同じく、虐げられてきた黒人たちの歴史とプライドをテーマに掲げたMCU作品に、NETFLIXオリジナルドラマ『Marvel ルーク・ケイジ』(16年〜)があります。

 

© Netflix

 

エイリアンをアベンジャーズが撃退した”ニューヨークの戦い”後のハーレムを舞台に、鋼鉄の肌をもち素手で戦うスーパーヒーロー、ルーク・ケイジの活躍を描いた同作には、著名なヒップホップアーティストやR&B、ソウルシンガーが多数関わっているほか、ハーレムのギャング王としてのし上がろうとするヴィラン、”コットンマウス”ことコーネル・ストークスを、オークランド出身者であり『ムーンライト』(16年)でアカデミー助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリが好演。

 

© Netflix

 

さまざまなブラック・カルチャーへのリスペクトが盛り込まれているだけでなく、2012年に発生した黒人少年トレイボン・マーティン射殺事件などについても触れられており、本作と合わせて必見です。

 

マイケルとライアンの黄金タッグ

© 2015 Warner Bros. Entertainment Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc.

 

ジョーダンとクーグラーがタッグを組んだ作品として、他にも『クリード チャンプを継ぐ男』(15年)があります。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17年)にヨンドゥの盟友スタカー役で出演した、ご存知シルヴェスター・スタローンが伝説のボクサーであるロッキー・バルボアを演じているほか、『マイティ・ソー バトルロイヤル』でヴァルキリーを演じたテッサ・トンプソンもヒロインのビアンカ役で共演。MCUファン的にも見逃せない一本です。

 

ヒューマントーチ2号

ジョーダンは本作以前にも、マーベル・コミック原作映画『ファンタスティック・フォー』(15年)において、”燃える男”ヒューマン・トーチことジョニー・ストーム役を演じていました。

 

© 2015 Marvel & Twentieth Century Fox Film Corporation.

 

ちなみに、同じくF4を原作とし2005年から公開された『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』シリーズで同役を演じていたのは、デビュー間もないクリス・エヴァンス。MCUではキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース役を演じている彼を一躍スターダムに押し上げた作品でした。

 

©2005 Twentieth Century Fox.

 

若きティ・チャカは実の息子

ティ・チャラの父親である先王ティ・チャカの若い頃の姿を演じていたのは、アタンドワ・カニ。彼は『シビル・ウォー』で初登場した老ティ・チャカを演じた俳優、ジョン・カニの実の息子です。

 

ユリシーズ・クロウ再び

©Marvel Studios 2018

 

かつてワカンダの国境を侵し、大量のヴィブラニウムを盗み出したという闇の武器商人ユリシーズ・クロウ。彼が初登場したのは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15年)でした。激昂したウルトロンに”うっかり”切り落とされた左腕にはエネルギー砲を搭載していましたが、コミックにおける彼は右腕に音波砲を装着しています。

 

音波の研究者であった彼は、研究材料のヴィブラニウムを盗み出すためワカンダに侵入し、ティ・チャカを殺害した張本人です。©Marvel

 

唇に円盤をつける部族は実在する

©Marvel Studios 2018

 

ワカンダに生きる部族のひとつを束ねる長たちの中でもひときわ目を引くリバー族の長。我々の住む現実世界でも、エチオピアに暮らすスリ族やムルシ族の女性たちは、伸ばした唇や耳たぶに円盤をはめて生活しています。この他にも化粧や衣装など、実在するさまざまな民族文化が衣装デザインに取り込まれています。

 

16歳の天才少女

トニー・スタークをも凌ぐ天才でありながら、まだ16歳というシュリ。コミックにおける彼女はそこまでの頭脳を持ち合わせてはいません(逆に、ティ・チャラは天才的な頭脳の持ち主で発明家)が、最初はブラックパンサーの座を得た兄に嫉妬していたものの、後に修業を積み、才気溢れる女性として成長。兄と並ぶスーパーヒーローの一人として、ワカンダを守るために戦いました。本作序盤、王座を賭けた決闘の場で彼女が王に立候補しようとした(フリだけでしたが)のは、原作におけるこのような展開も踏まえたギャグ・シーンだったと思われます。

 

ブラックパンサーとして成長したシュリ ©︎Marvel

 

始まりの男バシェンガ

ヴィブラニウムの鉱床をもち、シュリの研究施設が内部に建てられている山。名を”バシェンガ山“といい、最初にブラックパンサーとなった男の名前に由来しているようです。

 

©Marvel Studios 2018

 

コミックにおけるバシェンガはこんな感じ。

 

©Marvel

 

死後も霊魂となり、ワカンダの民やブラックパンサーの称号を継いだ王たちを見守っています。また、2017年から刊行されている「Marvel Legacy」ではなんと紀元前100万年に存在したブラックパンサーが登場していますが、彼との関係は不明です。

 

©Marvel

 

実はいい奴マンエイプ

ジャバリ族の長である荒くれ者、エムバク。

 

©Marvel Studios 2018

 

戦闘時にはサルを模した仮面をかぶり、白いウォーペイント(戦化粧)を施していた彼ですが、コミックにおける彼はそのものズバリ”マンエイプ”の別名で呼ばれるヴィランで、白いゴリラを殺してその血と肉を身体に取り込んだことで超人的なパワーを得た後、ブラックパンサーの王座を狙いました。

 

©Marvel

 

最強金属ヴィブラニウム

MCU世界における”地球最強の金属”として知られるヴィブラニウム。もっとも有名なヴィブラニウム製の物体として、かつてハワード・スターク(トニーの父親)によって作られたキャプテン・アメリカの盾が挙げられるでしょう。

 

©2011 Marvel

 

本作において、ヴィブラニウムが数百万年前に地球に飛来した隕石由来の物質であることや、頑丈な素材として以外にもさまざまな用途があることが明かされました。ヴィブラニウムについては、後日別途記事にてその応用例や歴史をまとめ、謎を考察する予定です!

 

あのサンダルは高級品

©Marvel Studios 2018

 

ティ・チャラが立派な装束の下に履いていた黒いサンダル。シュリには気に入られなかったようですが、あのサンダルは(劇中設定は不明ですが、少なくとも現実世界では)れっきとしたブランド品。アレキサンダー・マックイーンのサンダルに、本作の衣装デザイナーであるルース・E・カーター(『マルコムX』『アミスタッド』)がかかと部分の紐を付け加えたものであるそうです。

 

キモヨ・ビーズ

乗り物の操縦や通信など、さまざまな用途が見られたキモヨ・ビーズ。コミックでも、ワカンダにおける一般的なデバイスとしてたびたび登場します。

 

「Black Panther」(16年)#1より。 ©Marvel

 

“スニーカー”

シュリによって”スニーカー”(忍び足)と名付けられた靴。ヴィブラニウムを利用し振動を吸収しているらしく、足音を消していました。
コミックにおいて、ブラックパンサーことティ・チャラによる代表的な発明品のひとつに同様の無音ブーツがあります。

 

©1989 Universal Studios and U-Drive Productions, Inc.

 

このアイデアの元となったとシュリが語った「パパが観てた昔のアメリカ映画」……というのは もしかすると『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』でしょうか?自動で靴紐を調節するスニーカーが登場します。

 

知る人ぞ知る彼女

韓国・釜山(プサン)にある闇カジノの入口に立ち、客を迎え入れていた女性・ソフィアを演じたアレクシス・リーは、『ブレードランナー』(82年)にて、夜の街に浮かぶ”強力わかもと”の巨大な広告で芸者の女性を演じていました。

 

©1982 Warner Bros. Entertainment

 

なお、本作におけるプロダクション・デザインを担当したハンナ・ビーチラーによると、『ブラックパンサー』におけるワカンダのコンセプトなどには『ブレードランナー』からも影響を受けているとのこと。

 

赤、黒、緑でアフリカ解放

©Marvel Studios 2018

 

闇カジノに潜入したティ・チャラ、ナキア、オコエ。それぞれ王族の黒、リバー族の緑、ドーラ・ミラージュの赤の三色の服を纏っていましたが、この三色は世界中のアフリカ系民族の団結を訴えたパン・アフリカ主義の三色旗のカラーを踏襲しているとクーグラー監督自身の口から語られています

 

また、このシーンはナキアとオコエが初登場した「Black Panther」(98年)#1冒頭のアートもイメージされているのもしれません。

 

クリストファー・プリーストらによる本シリーズは、本作のイメージに非常に近い。©2015 Marvel Characters, Inc.

 

スタン・リーはギャンブラー

マーベルの生ける伝説スタン・リー。マーベル・コミックス原作の映画作品にはほぼ毎回カメオ出演していることでおなじみですが、今回は釜山のカジノでティ・チャラのチップを引き取る役として登場していました。せっかく勝ったのに……

 

釜山よいとこ一度はおいで

『〜エイジ・オブ・ウルトロン』に引き続き、大規模な戦闘シーンのロケ地となった釜山。本作ではチャガルチ市場から広安大橋まで、大規模なロケが行われた模様です。

 

©Marvel Studios 2018

 

また、本作の予告編でも使用されたクロウを追跡するシーンにて、ブラックパンサーがネオン看板を踏み台にしていたのは社稷北路にあるビル。予告が公開されるや否や「アベンジャーズに踏まれた病院」と書かれた、おそらくお手製の垂れ幕がかけられていたそう(現在は掲示を終了した模様)。

 

 

手榴弾と自己犠牲

クロウの取り調べ中、投げ込まれた手榴弾の上に覆い被さって爆風を防いだブラックパンサー。『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』にて、訓練兵時代のスティーブがとった行動を彷彿とさせます。

 

©2011 Marvel

 

この時はニセモノの手榴弾でしたが、今回は紛れもなく本物。しかし、ヴィブラニウムが編み込まれたスーツとティ・チャラの勇気の前では無意味でした。

 

“ボニー&クライド”ができなくなるぜ

クロウがキルモンガーとリンダを皮肉ってこう呼んでいました。”ボニーとクライド”とは、大恐慌時代のアメリカで強盗や殺人を繰り返しながら逃避行を続けた犯罪者のカップルで、映画『俺たちに明日はない』(67年)のモデルにもなっています。

 

また白人を治療できるの?

©Marvel 2016

 

ティ・チャラによってワカンダへと運び込まれたエヴェレット・ロスに対して、シュリが言い放ったこの言葉(Another broken white boy)。
“また”と言っている通り、これはかつて彼と同じようにティ・チャラによって連れてこられたバッキー・バーンズのことを指していると思われ、またMCUの一部として位置付けられているコミック「Marvel’s Avengers Infinity War Prelude」#1でも、ティ・チャラがバッキーをワカンダへと招き、シュリが彼のトラウマと洗脳状態を治療する様子が描かれています。

 

©Marvel

 

キルモンガー

©Marvel Studios 2018

 

本作のメインキャラクターとして、オリジナル設定を加え大きくクローズアップされていたキルモンガー。コミックにおける彼は、王族の人間ではありません。父親がワカンダを狙うユリシーズ・クロウに協力させられたことで、家族ともども国外追放となったウンジャダカ。ハーレムで育った彼はエリック・キルモンガーと名を変え、ブラックパンサーの王座を狙って王国に攻め入りました。

 

「Black Panther」(08年)#37より。仮面を着け、黄色に黒い斑点のヒョウ(Leopard)を従えるキルモンガー。映画版の彼のスーツの柄にもなっている。 ©Marvel

 

蘇る黒豹

©Marvel Studios 2018

 

キルモンガーによって滝壺に投げ落とされ、生死不明となったティ・チャラ。73年のコミック「Jungle Action」#6にて同様のシチュエーションが描かれています。

 

@ Marvel

 

ロンドン、香港、ニューヨーク

©Marvel Studios 2016

 

世界各地に散らばったワカンダのスパイ”ウォードッグ”のうち、キルモンガーによる武装蜂起命令に応えたのはロンドン、香港、ニューヨークに潜入していた者たちであると語られていました。この三都市は『ドクター・ストレンジ』(16年)にて描かれた、地球を魔術的に防御するサンクタム(聖地)が置かれている場所と一致しています。単に世界的な大都市だったからなのか、あるいは何かを意味していたのかは不明ですが、少なくともこの三地点で大規模な破壊が起きると地球に危機が訪れていたであろうことは間違いありません。

 

サイとの格闘

©Marvel Studios 2018

 

キルモンガー側についたウカビに育てられていた巨大なサイと格闘するブラックパンサー。74年のコミック「Jungle Action」#9では、少年に迫った暴走する野生のサイをブラックパンサーが抑え込む、という本作に似たシチュエーションが描かれています。

 

©Marvel

 

“地下鉄道”での最終決戦

©Marvel Studios 2018

 

ブラックパンサーとキルモンガーが最終決戦を繰り広げる、採掘したヴィブラニウム鉱石を輸送する地下鉄道の線路。”地下鉄道(Underground Railroad)”とは、19世紀のアメリカで奴隷として扱われていた人々を亡命させるために”黒いモーセ”ハリエット・タブマンらが率いた互助組織の名前で、彼らにとって自由の象徴でもあります。近年ではコルソン・ホワイトヘッドの長編小説『地下鉄道』(16年)のテーマとなったほか、人気ゲーム「Fallout」シリーズでもこれもモチーフにした組織・レールロードが登場するなど、後世に多大な影響を及ぼしています。本作の最終決戦の舞台が地下鉄道となっているのにも、何かしらの意味が込められているのかもしれません。

 

地球人としての団結

©Marvel Studios 2018

 

世界各国の団結のため、ワカンダの開国を宣言するティ・チャラ。観客である我々は、MCUの次回作である『〜インフィニティ・ウォー』にて外宇宙からの脅威が確実に訪れるであろうことを知っているだけに響くものがありました。この先、彼ら人類はワカンダの資源と先進技術を平和のために活用できるのでしょうか?それとも相変わらず争いを続け、滅びへの道を進んでしまうのでしょうか?それはまだわかりません……

 

グローヴァー兄弟

『スパイダーマン:ホームカミング』(17年)などに出演し、マーベルと関わりの深い俳優のドナルド・グローヴァーと、その弟ステファン・グローヴァー。本作においても脚本制作の初期段階に関わっていたらしく、エンドロールにも名前がクレジットされています。

 

バッキー・バーンズの復活

エンドロール後、ワカンダの小屋で目を覚ましたバッキー・バーンズ。暗殺マシンとして、そして逃亡者として数十年の長きに渡り苦しんできた彼ですが、シュリの手によってようやく呪縛から解き放たれたようです。

 

Dreams are never free. #wakandaforever

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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予告でも、ワカンダの兵士や仲間たちと肩を並べ、再びヒーローとして戦う彼の姿が確認できますね。

 

©Marvel Studios 2018

 

ホワイトウルフ

ワカンダの子供たちがバッキーを指して呼んでいた名前”ホワイトウルフ”。コミックにおけるホワイトウルフとは、ティ・チャラが生まれる12年前に飛行機でワカンダに墜落した一家の生き残りで、ティ・チャカの義理の息子(ティ・チャラの義兄)として育てられ、白装束を纏うワカンダ秘密警察のリーダーとなったハンターという白人の男。

 

©Marvel

 

先述したプリーストによるシリーズで初登場し、時にはブラックパンサーのライバルとして、時には共に国を想う同志として描かれたホワイトウルフですが、彼のキャラクター造形の一部はどちらかというと本作におけるキルモンガーにも取り入れられているように感じます。バッキーがそのままホワイトウルフになる……というのは考えにくいので、どこかバッキーと通じるところのある彼の名前だけをおまけシーンに引用した、といったところでしょうか。

 

キャプテンはどこへ?

バッキーが登場したということで、やはりキャプテン・アメリカの現在も気になるところ。先述した「Marvel’s Avengers Infinity War Prelude」#1において、バッキーをワカンダに預けた後のキャプテンの姿もまた描かれていました。

 

©Marvel

 

内戦の混乱が続いていると思われるシリアにて、ファルコンことサム・ウィルソン、ブラックウィドウことナターシャ・ロマノフと共にチタウリ兵器の闇取引を阻止するキャプテンことスティーブ。その姿は『〜インフィニティ・ウォー』に登場する彼のものに近くなっています。

 

最後のインフィニティ・ストーン

『〜インフィニティ・ウォー』で描かれるであろう、6つのインフィニティ・ストーンの争奪戦。これまでのMCU作品に登場したのはスペース(空間)、パワー(力)、リアリティ(現実)、タイム(時間)、マインド(精神)の5つで、ソウル(魂)を司る最後の一つはいまだ確認されていません。

 

©Marvel 2014

 

『~インフィニティ・ウォー』の予告編では(あくまで予告編のため、本編では変化があるかもしれませんが)ワカンダと思われる場所での激しい戦闘シーンが描かれており、もしかしたら最後の一つはワカンダにあるのでは?と予想する声も多く見られました。例えば、太古の昔に飛来した隕石の内部にソウル・ストーンが封じ込められており、その影響でヴィブラニウムやハート形のハーブ(先祖の”魂”と邂逅できる)が生まれた……などとするのは安直でしょうか。

 

また「Marvel’s Avengers Infinity War Prelude」#2 は、ストレンジとウォンがサンクタムの記録を紐解きながらこれまでに登場したストーンの経緯を辿るという形式で描かれていますが、そこでも「わかっていることはほとんどない」としか語られていません。(彼らはオーブことパワー・ストーンについてもある程度把握している様子。夢の共演の前章というだけにところどころ凝った作劇となっており、必読です!)

 

フォントの妙

MCU作品に限らず、近年の映画芸術に欠かせないのがフォントデザイン。本作で主に使われていたアルファベットのフォントは”BEYNO“でした。

 

 

 

ここに挙げた以外にも、本作には原作コミックを踏襲したシチュエーションやブラック・カルチャーへのリスペクトがまだまだ盛り込まれていること、また私見による予想や未確定な要素が多分に含まれていることをご了承ください。

 

奴隷制度や植民地主義にスポットを当て、アフロフューチャリズム(アフリカ的未来派芸術)をも盛り込んだ『ブラックパンサー』は、人種を問わず世界中の人々から熱狂をもって迎えられ、かのミシェル・オバマ氏も称賛の声を上げています。

 

この記事を読んだ後は、ぜひもう一度本作を観に行ってみてください!字幕版で、吹替版で、あるいはIMAX版で!きっと観るたびに、新たな魅力を発見できることでしょう。

 

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記事更新情報

・「蘇る黒豹」部分の画像に誤りがありましたので訂正致しました(2018/11/20)

 

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©Marvel Studios 2018

『ブラックパンサー』(原題:『Black Panther』)

マーベル史上最も謎を秘めたキャラクター<ブラックパンサー>。超文明国ワカンダの若き国王のもうひとつの顔は、鋭い爪と漆黒の戦闘スーツに身をつつんだヒーロー。彼は、自国がもつ世界を揺るがす秘密を守る使命を背負っていた。その秘密が明らかになるとき、《アベンジャーズ》に最大の危機がおとずれる……。

 

監督/ライアン・クーグラー

製作/ケヴィン・ファイギ

出演/チャドウィック・ボーズマン、ルピタ・ニョンゴ、マイケル B.ジョーダン、マーティン・フリーマン、アンディ・サーキス、フォレスト・ウィテカー

全米公開/2018年2月16日(金)

日本公開/2018年3月1日(木)

 

配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイト

©Marvel Studios 2018