Column

2017.11.12 21:00

トリビア満載!『マイティ・ソー バトルロイヤル』イースターエッグ・小ネタまとめ

  • Akira Shijo

※本記事には、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレが含まれます。

 

11月3日(金)に日米同時公開となったマーベル・スタジオ最新作『マイティ・ソー バトルロイヤル』。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画作品としては17作目、またアベンジャーズの“BIG3”の一角・ソーの単独主演第3作目であり、2018年4月27日(金)日本公開予定の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へと繋がるという今回の作品。

 

そんな本作には、地球外をメインの舞台とした『マイティ・ソー』シリーズならではの、MCU世界の広がりを感じさせてくれるようなイースターエッグが仕込まれていました。そんな『マイティ・ソー バトルロイヤル』に隠された様々なトリビアや小ネタ、隠しネタ、そして元ネタとなった原作キャラクターなどを解説・考察・予想していきます!

 

前回までのソー&ハルクは

©Marvel 2015

 

ソーとハルクがシリーズで最後に登場したのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15年)です。人工知能から生まれた究極のロボット・ウルトロンの蜂起を発端としたソコヴィアでの戦いの末、ソーは強大な力を持つインフィニティ・ストーンを探す旅に出発し、ハルクは自分の力が仲間や人々を傷付けることを恐れてクインジェットに乗って消息を絶ちました。

 

 

なお、本作と同じタイカ・ワイティティ監督による短編『シビル・ウォー/チーム・ソー』では、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)でアベンジャーズが戦っていたのと同時期に、ハルクことブルース・バナーとオーストラリアを訪れていたソーが描かれていました。こちらはどうやら非正史(パラレル)扱いとなりそうですね。

 

移民の歌

本作の予告編や本編内にて印象的に使われていたレッド・ツェッペリンの『移民の歌(Immigrant Song)』。

 

 

北欧の民ヴァイキングが新天地へとやってくるさまを表すこの曲ですが、まさに本編の内容そのままともいえるド直球の歌詞となっています。

 

スルト

©︎Marvel

 

“九つの世界”のひとつ、灼熱の国ムスペルヘイムの支配者である炎の悪魔、スルト。世界の終末“ラグナロク”を引き起こす存在である彼は、コミックでもオーディンやソーの宿敵としてたびたび登場。何度も倒されたり封印されたりしながら、復活を繰り返しています。

 

ラグナロクとは?

“ラグナロク”とは本来、神々が死に絶え、そこから新たな世界が再生されるまでをワンセットとする“終末の日”を意味します。

 

コミックにおいても、ラグナロクによって命を落としたアスガルド人たちの一部は記憶と能力を失いながら地球人として転生しており、ソーが世界中を周りながら彼らを覚醒させていきました。

 

しかし、MCU世界におけるアスガルド人はあくまでも“地球では神として知られている宇宙人”であることが強調されており、簡単には復活できなさそうに思えます……。

 

スカージ

スカージ・ジ・エクセキューショナー(処刑人)は、コミックでは悪の女神エンチャントレス(アニメ『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』にも登場)に仕えたヴィランです。

 

©︎Marvel

 

エンチャントレスと共に何度かソーの前に立ちはだかりますが、彼女に見捨てられた後はソーに協力。ヘラによって死者の国から魂が奪われるのを阻止するため、マシンガンを両手に携え、命をかけて戦いました。

 

アスガルドの茶番劇

©︎ 2013 Marvel

 

オーディンに化けたロキがブドウを食べながら観ていた劇は、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(13年)における敵・ダークエルフ軍団との最終決戦の場面。ここでソーを演じていたのは、本作の主演であるクリス・ヘムズワースの兄ルーク・ヘムズワース。さらにオーディン役には『ジュラシック・パーク』(93年)でグラント博士を演じたサム・ニール、そしてロキを演じていたのは皆さんご存知マット・デイモンでした。

 

また、この劇の中ではロキがもともと“氷の巨人”であることが明かされており、彼の生い立ちが既に国民全員の知るところとなっていたことが伺えます。

 

カエルの王子様

本作にて、かつてロキがソーをカエルに変えたことがあることが示唆されていましたが、コミックにおいても1986年に出版された「Thor」#364〜#366にて、ロキの計略によってカエルに変えられてしまったソーの戦いが描かれています。

 

©︎Marvel

 

この他にも、2009年発行の「Lockjaw and the Pet Avengers」でもカエルのソーが登場。こちらはソー本人ではなく、カエルに変えられてしまったサイモン・ワターソンという人物がソーの力を得た姿で“スロッグ(Throg)”と呼ばれています。

 

また同様に“リベンジャーズ”を結成するシーンにて、ロキがヘビに化けたことがあるとソーが語っていましたが、コミックにおいてもロキは幾度となくヘビや鳥やネズミなどに化け、監視の目を潜り抜けたりどこかに潜り込んだりしています。

 

オーディンは老人ホームへ

ロキによってオーディンが放り込まれていたのは、“シェイディ・エーカー老人ホーム”。こちらの元ネタと思われるのは、俳優ジム・キャリーの主演デビュー作『エース・ベンチュラ』(94年)。

 

© 1994 Warner Bros. Ent.

 

同作の主人公、ペット探偵・エースがイルカの誘拐犯を追って潜入する精神科病院が“シェイディ・エーカー”。これは同作の監督であるトム・シャドヤックの名字を分割したもので、彼はのちに映画制作会社であるシェイディ・エイカー・エンターテインメントを創業します。

 

©2015 Comedy Partners.

 

また、風刺とブラックジョークで人気の米ギャグアニメ『サウスパーク』でも、同名の老人ホームが登場。主人公のひとりスタンの祖父マーヴィンが入居しており、たびたび舞台となっています。

 

ジェーン・フォスター

ソーの恋人であった地球人の女性、ジェーン・フォスター(『マイティ・ソー』(11年)から登場。ナタリー・ポートマンが演じていました)。

 

© 2013 Marvel

 

インフィニティ・ストーンのひとつであるエーテルを取り込んだこともある彼女は、後に天文学の研究でノーベル賞にも選考されたと『〜エイジ・オブ・ウルトロン』で示唆されていました。どうやらその後ソーとはうまくいかなかった様子。今後の再登場に期待したいですね!

 

ドクター・ストレンジ

『ドクター・ストレンジ』(16年)のおまけシーンで示唆されていた通り、本作で再登場を果たした“至高の魔術師”ドクター・ストレンジ。

 

©︎ 2016 Marvel

 

ノーモーションでビールを出現させたり、幻惑能力を得意とするロキを軽くあしらったりと、魔術師として大きく成長したことが伺えます。彼が本作で着けていた黄色い手袋は、コミックにおけるドクター・ストレンジのシンボルのひとつです(最近のコミックではあまり着用していませんが)。

 

「Doctor Strange」Special Edition #1(83年)©︎Marvel

 

オーディンの死

かつての自分の罪を清算するためか、あるいは既に力が衰えきっていたからか、ロキによってアスガルドから追放されたオーディンは地球での余生を静かに過ごしていたようです。そんな彼は、ふたりの息子たちへの変わらぬ愛を伝えた後、北欧神話の“故郷”であるノルウェーの海へと消えていきました。

 

© 2013 Marvel

 

原作においては“ラグナロク”の後、命を落としたオーディンは地球に転生することなく、スルトの復活を阻止するため冥界にて何度も何度も繰り返し戦い続けていましたが、後に復活します。

 

ちなみに、当初公開されていた本作の予告編では、ヘラがハンマーを破壊していたのがどこかの路地裏のような場所だったのを覚えているでしょうか。

 

©Marvel Studios 2017

 

ワイティティ監督は英・EMPIRE誌の取材にて、もともとオーディンはニューヨークで(映画『フィッシャー・キング』のように)路上生活を送っているところを発見される予定であったものの、テスト試写を観た人の多くはオーディンが可哀想すぎると感じたため、神秘的な北欧の環境に変更したと語っています。

 

ヘラ登場

そんなオーディンが死んだ場所に突然開いたゲート。おそらく彼が生きていた間、その力によって常に封印され続けていたためであると予想されます。

 

©Marvel Studios 2017

 

そこから「ひざまずけ!」の声と共に現れた死の女神・ヘラ。

 

かつて『アベンジャーズ』(12年)中盤にてドイツに現れたロキが同じセリフを口にしていたほか、あえて付け加えるならテレビドラマ『エージェント・オブ・シールド』に登場したアスガルド人の脱獄者、他者を操る能力をもつローレライもまた「男は私の前にひざまずく」と語っていました。プライドの高いアスガルド出身者に特有の口癖なのかもしれません……

 

なおコミックにおけるヘラは、ソーの姉ではなくロキの娘だとされています。

 

ソーの姉妹

ここで、コミックにおけるソーの姉妹をご紹介しましょう。まずは妹であるアンジェラ。

 

『Age Of Ultron』#10(13年)より ©︎Marvel

 

彼女はもともと、イメージ・コミックス社のコミック『スポーン』のキャラクターでしたが、いろいろあって権利がマーベル・コミックスへと移り、彼女自身も次元を超えてマーベルの世界へとやってきました。

 

その後、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと行動を共にしたりしながらアスガルドへと辿り着きます。その際、彼女が死んだと思われていたオーディンの娘であり、ソーの妹だったことが判明しました。

 

そしてもう一人が、下の妹であるラウッサ。

 

©︎Marvel

 

その複雑な生い立ちからスルトの力をその身に宿しており、まだ赤ん坊ながら強大なパワーを秘めています。悪魔のような姿に変身することができ、炎の力で危うくグルートを燃やしかけました。

 

変身!マイティ・ソー

ヘラ初登場シーンから続いて、地球に溶け込むため傘に変化させていたムジョルニアを地面に叩きつけ、本来の姿に戻るソー。

 

『Journey into Mystery』#83(62年)より ©︎Marvel

 

初期のコミックでは、右足が不自由なドナルド・ブレイク医師が木製の杖を地面に叩きつけることでソーへと変身していました。

 

プラネット・ハルク

本作の舞台のひとつとなった惑星サカール。コミックでは『プラネット・ハルク』というストーリーの舞台として知られています。というわけで、その『プラネット・ハルク』を簡単にご紹介。

 

©︎Marvel Studios 2017

 

地球上で最も優れた頭脳と権力(と、ひねくれた性格)をもつヒーローたちによって構成される組織“イルミナティ”の決定により、地球を離れて平和な惑星へと移住する(あるいは追放される)ことになったハルク。その道中、突如現れたワームホールを通り抜けてしまったことで、彼は皇帝レッド・キングが支配する惑星サカールへと辿り着きます。

 

奴隷としてレッド・キングに捕えられたハルクは、剣闘士として闘技場で戦うことに。人気者となり、彼と共に戦う剣闘士たちとも仲間になっていったハルクはある日、皇帝の圧政を砕こうとする反乱軍に勧誘され……

 

というあらすじから始まる『プラネット・ハルク』。映画に合わせ、『プラネット・ハルク:天の巻』『〜地の巻』として、ヴィレッジブックスから日本語訳版コミックが発売されています。地球全土を巻き込んだ一大イベント『ワールド・ウォー・ハルク』(こちらはすでに同社から発売中)へと繋がっていくこのシリーズ。映画との共通点や違いを探してみるのも面白いかも?ぜひご一読を!

 

かつての戦士たち

そんな惑星サカールにて、チャンピオンの座に君臨するハルクが寝床としていた巨大なタワー。ハルクの部屋の外壁には巨大な銀色のハルクの顔が設置されていましたが、その他にもいくつかの顔がひっついていました。

 

これらの顔はかつてサカールを訪れてチャンピオンになった者たちであると思われ、彼らが前チャンピオンに勝利してサカールを去ったのか、あるいは敗北して死んでしまったのかは不明です。

 

ハルクの左下にあった顔は、馬に似た外見と高潔なる魂を持つソーの義兄弟ベータ・レイ・ビル(アニメ版『プラネット・ハルク』ではハルクと対決)。その下にあった顔は、暗黒空間を作り出すダーククロウラー(ナイトクロウラーから改名)。ハルクの右下にあった顔は、オリュンポスの軍神アレス(アニメ『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』にも登場)。アレスの下にあった顔は、縦に二つ並んだ顔をもつアンドロイド、バイ・ビースト。タワーの一番下、真ん中についていた顔は、カルト的な人気を誇る植物人間、沼地の巨大怪物マンシングでした。予告編ではハルクの顔の位置にマンシングの顔が設置されていましたが、本編では並びが変更されています。

 

ちなみに、マンシングがMCUに存在し、さらにS.H.I.E.L.D.の資料にも記録されていることは『エージェント・オブ・シールド』シーズン1にて示唆されていました。

 

チョコレート工場の秘密

サカールに辿り着いたソーが捕らわれ、椅子に縛り付けられながらグランドマスターの部屋へと運ばれていくシーン。ここでBGMとして流れている曲は『Pure Imagination』のインストゥルメンタル版。ミュージカル映画『夢のチョコレート工場』(71年)のメイン・テーマの一部です。

 

ちなみに、この映画の原作となったのは、イギリスの作家ロアルド・ダールの小説「チョコレート工場の秘密」。ジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督で『チャーリーとチョコレート工場』(05年)として再映画化され、大ヒットしました。

 

 

この『Pure Imagination』は子供たちを空想と創造の楽園(チョコレート工場)へと導くミスター・ウォンカが歌う曲で、マライア・キャリーやマルーン5などがカバーし、米国の人気TVシリーズ『Glee』でも歌われた名曲です。

 

グランドマスター

コミックでは、コレクター(映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にも登場)の兄にあたるゲーム好きのグランドマスター。

 

彼は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のエンドロールにも先行登場し、ノリノリで踊っていました。

 

“バトルロイヤル”

字幕、および吹替版では“バトルロイヤル”と訳されていた闘技会。原語では“コンテスト・オブ・チャンピオンズ”と呼ばれており、これはマーベル・コミックスにおける最初のリミテッド・シリーズ(数巻で完結する読み切り)のタイトルです。

 

グランドマスターとデスによって集められたヒーローたちが戦いを強要されます ©︎Marvel

 

また、同じタイトルを冠するゲーム『Marvel Contest of Champions』が、日本でも『MARVEL オールスターバトル』としてリリースされています。

 

「義理の兄だ」

ソーは兄だが、あくまで義理の兄であるとグランドマスターに釈明するロキ。これは『アベンジャーズ』にて、ソーが大量殺人者であるロキを義理の弟だと語るシーンのリプライズになっています。

 

ジャック・カービー

コミック界のキング、あるいは神とも呼ばれる偉大な天才アーティスト、ジャック・カービー。奇しくも今年で生誕100周年を迎える彼が手がけた奇想天外なキャラクターやアートは、後年のコミック史に多大な影響を残しました。

 

 

こちらはエンドロールにて現れる本作のタイトルロゴ。まさにカービーの描くような紋様が刻まれています。カービーの描くアートの中でも特筆すべきは、サイケデリックとも言える鮮やかな色彩と、曲線を多用した建物や機械(マシン)のデザイン。

 

 

「Fantastic Four」 #64(67年)©︎Marvel

 

本作には特にその影響が色濃く反映されており、たとえばグランドマスターとロキがバトルロイヤルを観戦していた部屋の壁画には、『Fantastic Four』#64(67年)のアートの一部がそのまま描かれているほか、サカールの街並みや住人たちの随所にもさまざまなカービー調のデザインが取り入れられています。

 

©︎Marvel Studios 2017

 

ヴァルキリー

伝説の女戦士ヴァルキリー。正確には“ヴァルキリー”とは女戦士たちによって構成される部隊の名前であり、彼女の本名は明らかにされていません(日本語吹替版では“ヴァルキリー部隊”と訳されていました)。

 

©Marvel Studios 2017

 

コミックにおけるヴァルキリーの本名は“ブリュンヒルデ”。天馬アラゴルンを駆る女戦士で、オーディンのもとで戦士たちの魂をヴァルハラへと運ぶ女戦士部隊“ヴァルキュリア”を率いるリーダーで、後に女性スーパーヒーローを集めて、新生ヴァルキュリアことフィアレス・ディフェンダーズを結成しました。

 

©︎Marvel

 

本作では“スクラッパー142”と呼ばれていた彼女ですが、この“142″とは彼女の“初登場”エピソードのひとつ『Incredible Hulk』#142(71年)を指しているものと思われます。このエピソードでは、エンチャントレスによってブリュンヒルデの魂を植え付けられた地球人の女性活動家サマンサ・パリントンがヴァルキリーとして覚醒し、ハルクと戦いました。

 

©︎Marvel

 

ヴァルキリーはバイセクシャルのキャラクターとしても知られており、本作においてもそれを示唆するシーンがあったものの、編集段階でカットされたと語られています。ただし彼女を演じたテッサ・トンプソンによると、映画でもその設定に沿って忠実に演じたとのこと。

 

 

また、彼はソーを“1000万ユニット”で売り払いましたが、この単位はザンダー星を中心とする宇宙全域で広く使用されている通貨を指します。ヨンドゥがピーターを生け捕りにする賞金として出したのは4万ユニット、コレクターがオーブの対価として出したのは40億ユニットでした。

 

コーグとクロナン人

革命を夢見るバトルロイヤル前座の戦士、コーグ。岩でできた身体をもつ彼はクロナン人という種族で、彼らは『〜ダーク・ワールド』冒頭や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 』にて、これまでもMCUに登場していました。

 

©︎ 2013 Marvel

 

前述の『プラネット・ハルク』でも、ハルクの仲間たち“ウォーバウンド”のメンバーとしてミークと共に登場するコーグ。なお、彼を演じているのは本作の監督を務めたタイカ・ワイティティ本人です。

 

ミークはどこの子?

本作では喋れなかったミークですが、原作ではちゃんと話すことのできる彼。コーグ同様『プラネット・ハルク』でも重要な役割を担います。MCU世界ではどこの星の出身かは不明ですが、コミックの世界ではサカールにもともと住んでいた種族として描かれていました。

 

散髪屋スタン

今作でももちろん登場、生ける伝説スタン・リー。マーベル・コミックス原作の映画作品にはほぼ毎回カメオ出演していることでおなじみです。もはや特に説明することもありませんが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で登場した際は、彼が多元宇宙の監視者ウォッチャーの使者である可能性が示唆されていました。今作でも変装した同一人物として登場していたのか、その真相はいかに……

 

三本の木杭

映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』より © Shadow Pictures Ltd MMXIV

 

三人のヴァンパイアを一度にブッ刺せる木のフォーク。こちらはタイカ・ワイティティ監督が携わった作品で、三人のヴァンパイア(と、ずっと寝てるお父さん)が現代社会で共同生活を送るという映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(14年)を匂わせるネタであると思われます。(また、これは同時にMCU世界に“ヴァンパイア”が存在することも示唆していることになりますね!)

 

叩きつけハルク

バトルロイヤルのシーンにて、ソーを何度も地面に叩きつけるハルク。この技も『アベンジャーズ』にて、ハルクがロキを床に叩きつけていたシーンのリプライズです。

 

© 2011 Marvel

 

クインジェット

遠く離れた惑星どうしを繋ぐ虹の橋ビフレストの軌道から外れてしまったソーやロキはともかく、あくまで地球上を飛んでいたはずのクインジェットがなぜサカールに辿り着いたのでしょうか?

 

原作コミックの世界においては、ハルクの乗った宇宙船が突然開いたワームホールを通過してしまったことでサカールに飛ばされてしまいますが、MCU世界においてはこれと似たような現象が地球上で起こった、ということが予測されます。あるいは、原作と同じように宇宙空間に開いたワームホールを通過したと考えることも可能ではあります。

 

© 2014 American Broadcasting Companies, Inc.

 

というのも、『エージェント・オブ・シールド』シーズン3でも描かれたように、クインジェットは単独での大気圏外への離脱や宇宙空間での航行すら可能な超高性能機なのです。であるならば、地球に自分の居場所がないと考えたハルクがクインジェットを操縦し、宇宙空間に飛び出してしばらく旅をしていたところでワームホールの重力に捕まってしまい……ということが起こった可能性も十分にあると言えるでしょう。なお『〜エイジ・オブ・ウルトロン』終盤では、フューリーが「バンダ海に墜落した機体がある」と語っていましたが、こちらはクインジェットではなかった模様です。

 

サーファーくん

ソーの登録名としてクインジェットに保存されていた「サーファーくん」ですが、原語では「ポイントブレイク」。映画『ハートブルー』(91年)の原題です。

 

たしかに似てる © 1991 Twentieth Century Fox

 

銀行強盗を追う捜査官がサーファーに成りすます同作。2015年にはリメイク版も制作され、こちらは『X-ミッション』という邦題で公開されていました。オザキ8!

 

また『アベンジャーズ』にて、トニーがソーをからかった際にも同様の呼び方が使われていましたね。

 

もう日が暮れるよ大物さん

と、バナーに繰り返し呼びかけていたソー。これは『〜エイジ・オブ・ウルトロン』にてブラック・ウィドウことナターシャがハルクを制御し、バナーへと戻すために使っていた合言葉です。

 

ハルクは何年サカールにいた?

ソコヴィアでの戦いの後、地球の時間で2年間行方不明だったというバナー。ここで思い出していただきたいのが、「サカールでは時間の流れが違う」ということです。具体的に何倍ほど違うのか、あるいはそもそも違いが一定の倍率なのかは作中で明らかにされていませんが、数秒ほどの差でビフレストから飛び出したソーとロキの到着時間に大きな差があった(ロキは“weeks”すなわち数週間前に着いていた)ことを考えると、かなりの違いがあると予想されます。

 

クインジェットが2年の間のどのタイミングでサカールに辿り着いたかは作品内では明かされませんでしたが、地球時間に換算すると、もっと長い間、バナーはハルクに変身したままだったという可能性も考えられます。

 

なお、“ソーが子供の頃”に憧れていたというヴァルキリーもまた相当な年齢だと考えられますが、アスガルド人はそもそも寿命がとっても長いので、こちらも不明のままです。

 

トニーのTシャツ

トニーのTシャツはいつも凝ったデザイン。今回バナーが着ていたのは、デュラン・デュランのアルバム「Rio」(01年)のジャケットです。

 

 

嘘で固めた宝物庫

『マイティ・ソー』(11年)でも登場したオーディンの宝物庫。同作ではこのシーンに“インフィニティ・ガントレット”と思われる物体が映っていました。

 

©︎2011 Marvel

 

しかし、『〜エイジ・オブ・ウルトロン』のおまけシーンにてサノスがガントレットを手に入れていたのは、どうもこの宝物庫とは違う場所のように見え、またガントレットのデザインも大きく異なっていたことから、『マイティ・ソー』に登場したものは「なかったことになったんじゃないか」「あれは右手用で、サノスが使うのは左手用なんじゃないか」「そもそもストーンが全部すでに揃っているのはおかしい」などなど、さまざまな説がファンの間で提唱されていました。

 

©︎ 2015 Marvel

 

そんな中、ついに本作にて、ヘラにより「偽物」と一蹴。数々の他の宝物も偽物である可能性が出てきたことで、今後のユニバース展開に齟齬が生じにくくなったと考えられます。

 

また、“氷の巨人”たちの力の源である小箱や、インフィニティ・ストーンのひとつを封じ込めた“テッセラクト”あるいは“四次元キューブ”も登場。こちらは物語終盤、スルトを復活させるために宝物庫に立ち寄ったロキによって持ち出されたのではないかと予想されます。

 

フェンリス・ウルフ

ヘラによって復活を遂げ、最終決戦ではハルクと死闘を繰り広げた“フェンリル”とも呼ばれる魔狼フェンリス・ウルフは、コミックや北欧神話ではロキによって生み出された存在です。

 

©Marvel Studios 2017

 

高い身体能力と知性、変身能力を持ち合わせ、人間のような姿に変身することも可能。狼男の息子もいます。

 

“リベンジャーズ”

ソーがとっさにつけたチーム名“リベンジャーズ”。

 

©Marvel Studios 2017

 

これはコミックにおいてワンダーマンを中心に結成されたチームと同じ名前ですが、おそらく今回のチームとはあまり関係なく、ソーが適当に命名しただけのように思えます。

 

神殺しのヘラ

本作に登場したヘラのキャラクター造形には、コミックに登場するヘラだけではなく、ゴア・ザ・ゴッドブッチャー(神殺し)というヴィランの要素も盛り込まれていると語られています

 

©Marvel

 

2012年から始まったコミック「Thor: God of Thunder」シリーズで登場したゴアは、時空を超えてあらゆる神々を殺そうとする人物で、身体から自在に刃を生成する能力を持っています。ソーとの戦いの中では、本作終盤の「お前は何の神だ?」というセリフも登場(「Thor: God of Thunder」#2)。

 

本作との関連が深く、読者からの評価も高いこのシリーズ。その主人公となるのは、過去・現在・未来のソーです。特に未来のソーは、本作終盤と同様に片目を失っているほか、片腕も義手となった衝撃的な姿で登場しました。

 

©Marvel

 

インフィニティ・ストーンの行方

ではここで、改めてインフィニティ・ストーンの現在地をおさらいしておきましょう。

スペース・ストーン:(おそらく)本作末でロキが回収、移民船内

マインド・ストーン:ヴィジョンのおでこ

リアリティ・ストーン:コレクターの保管庫→爆発により所在不明

パワー・ストーン:ザンダー星にて保管中

タイム・ストーン:カマー・タージにて保管中

ソウル・ストーン:所在不明

 

アスガルドは地球へ

地球へと移住することを決めたソー。コミックでは、破壊されたアスガルドはアメリカ・オクラホマ州ブロクストンの荒野に再建されました。

 

「Thor」#2(07年)より ©︎Marvel

 

ソーがハンマーを振り回すと、たちまちアスガルドの街や宝物がそっくりそのまま登場。この後、住所や戸籍などもろもろの対応に追われることに……

 

MCUでは、オーディンが語っていたようにノルウェーへと“故郷”を移すのか、あるいはコミックのようにオクラホマに再建するのか、そもそも無事に地球に辿り着けるのかは不明のままです。今後に期待しましょう!

 

ウォリアーズ・スリーのその後

ソーの無二の戦友たちである三戦士、ウォリアーズ・スリー。そのうちファンドラルとヴォルスタッグはヘラに瞬殺され、防衛隊を率いて勇敢に戦ったホーガンも巨大な剣で貫かれてしまいました。

 

コミックでは“ラグナロク”で命を落とした他の神々と同様、三人まとめて地球・アフリカに転生。難民キャンプを守るために戦っていたところをソーに発見され、記憶と能力を取り戻しました。

 

『Thor』#4(07年)より ©︎Marvel

 

ソー・シリーズには欠かせない存在であった三人だけに、今後MCUではどうなるのか心配です……

 

シフはどこへ?

ソーと肩を並べる戦士といえば、忘れちゃならないのがレディ・シフ。

 

© 2013 Marvel

 

『マイティ・ソー』シリーズに加えて『エージェント・オブ・シールド』にも二度登場するなど、アスガルド人としてはソーやロキに次いで重要なキャラクターである彼女ですが、今作には登場しませんでした(正確には、ロキが観ていた劇のラストシーンにてアスガルド人の女優が演じています)。

 

本作で登場しなかったのは、いつの間にかヘラに倒されてしまっていたからなのか、あるいは別の惑星で任務についていたからなのか……それこそ『エージェント・オブ・シールド』あるいは今後の他作品での再登場に期待したいですね!

 

謎の巨大宇宙船

エンドロール中のシーンでは、相当巨大なはずの移民船をはるかに上回る大きさの宇宙船が突如現れました。

 

マーベル・スタジオ代表のケヴィン・ファイギ談では、この宇宙船は“サンクチュアリⅡ”と呼ばれているものであるとのこと。

 

©︎Marvel

 

“サンクチュアリⅡ”!それはまさに、コミックにおけるサノスの旗艦の名前そのものです。

 

ワイティティ監督も上記EMPIRE誌のインタビューに対し「この船がサノスのものであることは明らかでしょう」と語っています。MCUには同じく“サンクチュアリ”と名の付いたサノスの領地が登場していますが、そこでサノスが座っていた浮く玉座について「あの椅子は宇宙を旅するのにとても時間がかかりそうだったよね」ともコメントしています。

 

©︎Marvel 2014

 

またこのシーンをよく見ると、ソーとロキの衣装がそのシーンまでとは異なっており、地球へと出航した時から時間が経過していることが予測されます。

 

もしかすると『アントマン』(15年)や『ドクター・ストレンジ』に付いていたおまけシーンと同様、今後公開される『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の本編の一部がそのまま使用されているのかもしれません。

 

だとするなら、やはりロキは本編終盤でテッセラクトを持ち出しており、サノスはそれを狙って追ってきたのでしょうか?移民たちの安否が気にかかるところですが……

 

サカール人ふたたび

エンドロール後、サカールの群衆にグランドマスターが語りかけるシーンにて、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に登場していたロナンの部下と同じ装備の人物が登場していました。

 

©︎Marvel 2014

 

群衆が映るシーンにて、画面左の方に立っているのがその人物です。もともと彼らはサカール人であるとされていましたが、こちらの設定も数年越しにサラッと回収されたということになりますね。

 

過去作サントラ

本作には、他のMCU作品には類を見ないほど多くの箇所でシリーズ作品のサウンドトラックが使用されていました。

 

前述の『〜ダーク・ワールド』を模した劇のシーンや「もう日が暮れる」のシーンなどのパロディとして、またクインジェットを発見するシーンや王座につくソーのシーンなどでも流れていたのが印象的です。

 

いかがだったでしょうか?ここに挙げた以外にも、原作コミックに似たシチュエーションや名作へのオマージュがまだまだ隠れていること、また私見による予想や未確定な要素が多分に含まれていることをご了承ください。

 

この記事を読んだ後は、ぜひもう一度本作を観に行ってみてください!字幕版で、吹替版で、あるいはIMAX版で!きっと観るたびに、新たな魅力や小ネタを発見できることでしょう。

 

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©Marvel Studios 2017

 

『マイティ・ソー バトルロイヤル』

アベンジャーズの一員として地球を守るため戦ってきたソーの前に<死の女神>が立ちはだかった。死の女神・ヘラは、ソーの究極の武器ムジョルニアをいとも簡単に破壊すると、彼の国へ攻撃をはじめる。ヘラの復讐と野望を知ったソーは、この最強の敵を倒す ため、盟友ハルク、宿敵ロキらと型破りのチームを組み、極限バトルに挑む!果たして、ソーたちは史上最強の敵からこの世界を守ることが できるのか?死の女神・ヘラの復讐の目的は!?そこには、ソーの運命を変える秘密が隠されていたー。

 

監督/タイカ・ワイティティ

製作/ケヴィン・ファイギ

出演/クリス・ヘムズワース(ソー)、 マーク・ラファロ(ハルク/ブルース・バナー)、トム・ヒドルストン(ロキ)、 ケイト・ブランシェット(ヘラ)、アンソニー・ホプキンス(オーディン)他

 

配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン

2017年11月3日(金・祝)日米同時公開

公式サイト