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2017.11.09 11:50

アカデミー賞ノミネート作『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』吹替版完成披露試写会レポート

  • T&Bear

11月18日(土)公開の『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』。日本語吹替版完成披露試写会が11月8日(水)に都内で開催されました!

 

ストップモーションアニメ『コララインとボタンの魔女』(09年)で知られる世界最高峰のアニメ映像工房スタジオライカによる『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、第89回アカデミー賞で長編アニメ映画賞、視覚効果賞にノミネートされた注目作です。

 

テーマは古き日本の世界。三味線の音色で折り紙に命を与えるという不思議な力を持つ少年クボ。サムライだった父の亡き後、母とふたりでひっそりと暮らしていた彼は、闇の魔力に母を奪われ、三種の神器を見つけ出す旅に出ます。途中で出会った毒舌の「サル」とお調子者の「クワガタ」と共に、追っ手と闘いつつ旅を続けますが、やがて父と母の過去の秘密を知ることに……。

 

スタジオライカCEOであり監督のトラヴィス・ナイトが率いる製作チームが、とことん日本を研究し紡ぎ出した物語は、日本の寓話がベースとなっています。オリジナル版は、クボ役に『ゲーム・オブ・スローンズ』で人気となったアート・パーキンソンを始め、サル役にシャリーズ・セロン、クワガタ役にマシュー・マコノヒー、闇の姉妹役にルーニー・マーラ、月の帝役にレイフ・ファインズとオスカー俳優がずらり。日本語吹替版も、矢島晶子さん、田中敦子さん、川栄李奈さん、ピエール瀧さん、羽佐間道夫さんと豪華な声優陣が揃いました。

 

今回の完成披露では、日本語吹替版主題歌を担当した吉田兄弟のお二人(吉田良一郎さん、吉田健一さん)が登壇。KUBOの世界観にもピッタリの楽曲「Fusion」が披露されました!

 

下記は、お二人のトークです。

 

MC「今回は日本語吹替版の主題歌、今なお愛され続けているビートルズの名曲「While My Guitar Gently Weeps」を三味線でカバーされたということですが、この奇跡のようなコラボレーションはどのような経緯で実現したのでしょうか?」

健一さん「映画は去年パリやバルセロナに滞在している際にお客さんから、こんな映画あるけど知ってますか?といわれ、噂は耳にしていました。海外での反応も素晴らしいんだなということを僕自身も感じてはいたんですけれども、今回日本での公開にあたって、スタジオライカさんの方から一緒にタッグを組んで何か出来ないかとオファーをいただきまして、僕らとしては三味線を題材にした映画が作られる時代が来たんだと非常に嬉しく思いました」

 

MC「今回のカバー曲、どのような気持ちを込めたのか、また意識したところなどあれば教えてください」

健一さん「この映画をスペインで最初に観たんですけど、その際は当然英語版で。英語版の主題歌は女性のボーカルが入ったメロディアスな感じだったんですけど、いい意味でそことの違いを津軽三味線で見せられたということ。あとはカバー曲ということで、原曲の良さを壊さないように、三味線でやることでまた新しい発見をしてもらえるような、そんなカバーが出来たらなと。その辺は僕らなりには達成出来たんじゃないかと思っています」

 

良一郎さん「津軽三味線らしさをどう入れて行くかっていうのは今回のテーマだったと思いますね」

 

MC「主人公クボは三味線で折り紙を操る不思議な力を持っている少年で、三味線が非常に重要な存在です。三味線を持つ主人公しかも海外のアニメと聞いた時はどのように思われましたか?」

良一郎さん「津軽三味線をもっている主人公。僕たちが三味線を始めた頃には考えられない。僕たちが小っちゃい頃はおじいちゃん、おばあちゃんがやっているイメージっていう三味線のイメージがありました。三味線を持っている少年が人公になってるっていうのはカッコいい。こういう時代が来たんだなとやっと嬉しく思っております」

 

健一さん「まさにそこですよね。この映画をきっかけに三味線を始める子もいるんじゃないかな、と。僕はそこにすごく期待をしていますね」

 

MC「クボの持っている三味線の力。刀ではなく三味線で自分の力で戦っていくというのはカッコいいので子供たちはきっとやりたがりますよね」

健一さん「実際に僕がスペインで観た時は子供のお客さんがすごく多かったです。ですから日本でもそうあって欲しいなと思いますね」

 

良一郎さん「三味線を弾くと色んなシーンで、不思議な力が出てくるんですけども、僕たちにとってもそれはあんまり不思議な感じではなくて、演奏してるとそういう気持ちで、気合いと言いますか、パワーを込めて演奏してるので、とても僕は観ていて嬉しかったですね。」

 

MC「健一さんは映画を観た時に、三味線の描写どんな風に思いましたか?」

健一さん「(海外の映画などで)日本っていうものを映す時に、ちょっと違うなっていうものってたくさんあると思うんですけども、この映画の三味線の部分に関しては100点満点ですね。劇中民謡なんかも、僕らが知っている日本でも有名な曲が使われているんですけども、そういったお祭りのシーンですとか、非常に日本に対するリスペクトというか、勉強されてるなというのを感じて、逆に日本ではなく海外発信というのが悔しいくらい。そういう気持ちになりましたね」

 

ここで、吉田兄弟が一旦退場すると、上映を前に吹替版の本編映像が一部が上映されました。主人公クボと村の心優しいおばあさんカメヨの会話のシーン。カメヨの日本語吹替声優は発表されておらず、この後カメヨの未発表声優が登場することに!

 

観客の期待を受けて登場したのは、なんと演歌歌手の小林幸子さんでした!折り鶴の髪飾りに、鶴の着物。KUBOの世界観を意識した衣装での登場です。

 

小林「皆さまこんにちは。小林カメヨでございます(笑) よろしくお願いいたします。」

 

MC「本当にお召し物素敵ですね。お着物は鶴の柄ですよね?」

小林「この作品の中で大きなテーマは、折り紙ということで、折り紙といえば必ず皆様作ったことがあるのは折り鶴だと思うので、私も子供のころ鶴をよく折りました。ですから鶴の着物で。なかなか(鶴の着物の)出番がなくて今日は凄くこの鶴も喜んでおります。それだけじゃなくて頭の方もちょっとね、うちのスタッフが一生懸命折りまして。(髪飾りとしてつけているたくさんの折り鶴の1つを指差しながら)1つはKUBOのチラシで作りました。」

 

MC「カメヨ役の出演のオファーが来た時はどのようなお気持ちでしたか?」

小林「おばあちゃんの役でございます!キター!と思いましたね。すごく興味がありましたし、私なりのおばあちゃんの役、どんな風に出来るかなと思って。皆さんに教えていただきたいんですが、私一番似合ってるんじゃないかと思う役でございます」

 

小林幸子さんが吹替えるカメヨがあまりに自然で、最初映像を観た人は誰だか分からなかったと言う話題に。

 

小林「カメヨはクボの一番の理解者というか。チャーミングなんですよ。ホントに。とっても可愛らしい、おばあちゃまでございまして。私が一番気に入ってるセリフがですね、“私は今日は精一杯おめかししてきたんだよ”ってこういうシーンがございます。それなりの彼女のジョークで盛り上げようとしてくれてる。そういった温かいチャーミングなおばあちゃんの役です」

 

MC「アフレコしている時、印象に残る出来事がありましたか?」

小林「アフレコはこれまでもさせていただいたことがあるんですけど、歌と同じで、私は古賀政男先生の弟子なんですが、古賀先生は“歌は語れ、芝居は歌え”ということを言われていています。そのストーリーの主人公、人物になりきるということが大事ですね」

 

MC「今回実際に声を吹き込んでみて、歌う時と違いはありましたか?」

小林「基本的に歌とは違いますけども、気持ち的には同じことだと思います。ご覧になっていただければわかるんですが、(カメヨが)はしゃぐんですよ。ガーッ!って。歌とは違いますんで、ガーガー出すとちょっと次の日声が出なくなりましたけど(笑) でもそれぐらい元気なカメヨおばあちゃんでございます」

 

MC「小林さんというと紅白でのパフォーマンス、コミケに出たり、ボカロなどネット界のオタクカルチャーにも進出されています。そして今回の声優の挑戦。常に進化し続けてらっしゃる印象なんですが、次の目標があれば是非お聞かせください」

小林「こうして新しいことにチャレンジさせていただく。それが結果的には目標になっているんだと思います。ですからまた新しいことにチャレンジして、それが結果的に新しいものが出来たんだなと思えるような、そういった人との出会いだと思います」

 

MC「小林さん今や“ラスボス”と慕われていますが、どのようなお気持ちですか?」

小林「ラスボスって呼んでいいですか?って言われて。私知らなかったもんで、いいですよ~って言って。その後スタッフにラスボスって何?って聞いたくらいなんですが、今はよく分かっています。言葉としてはあれですが、皆に元気を与えるというそういった存在でありたいなと思っております」

 

MC「そう言った点ではカメヨに通じるところもありますよね。本作は日本の描写が大変素晴らしく、日本で暮らしていることが誇らしくなるくらい、こんな作品作ってくれてありがとうと思わず言ってしまうような作品になっていました」

小林「もしかしたら日本人よりもよく知っているという。凄いなと思います。もっと日本人が日本のこと勉強しなきゃいけないのかななんて思わせていただきました」

 

MC「これだけ日本の「ワビ」「サビ」の心を理解されている海外の作品って他にないなと思うくらいですよね」

小林「“ワビサビ”って言いますけど、分かります?難しいですよね。一口で言えないです。私も言えません。けれども、(映画は)そういうものを考えてみるひとつのきっかけにもなるのかなと思います」

 

ここで、吉田兄弟再入場!

 

MC「小林さんの声優っぷりはいかがでしょうか?」

健一さん「素晴らしい声優さんが名を連ねている中、ナチュラルに溶け込んでらっしゃって、非常に凄いな、と。チャレンジ精神ですよね。僕らも常にそうありたいなという気持ちにさせられます」

 

小林「チャレンジもそうですけど、楽しみたいなっていうってありますよね。他人に楽しんでもらうには、自分自身が楽しまなければ絶対に楽しくないなと。私の持論なんですけど」

 

吉田「そう思いますね。僕ら演奏中よく言われるのは、笑顔だねって言われるんですけれども、やっぱりそれが一番かなと思いますね。」

 

MC 小林さん。日本語吹替版の主題歌を聞いていかがでしたか?

小林「ものすごく繊細で、かつダイナミックで。やっぱり吉田兄弟だなと思いました」

 

ここからはフォトセッションの時間と言うことで、ストップモーションの撮影で使われたものと同じ大きさのクボの人形が登場し、一緒に撮影タイム。

 

 

小林「皆さん手に取って見ていただきたいぐらい。すごい繊細です。」

 

健一さん「繊細ですよね。弦も切れちゃいそうですけど、すごい細い弦が。」

 

クボの衣装にも興味を持った小林さん。実は、クボの衣装は実際に日本の生地を使って作られているそう。そして、クボの表情は4,800万通りあること、1週間で3秒ちょっとしか制作ができないそう。

 

最後に、これから観る観客の方にメッセージがありました。

 

健一さん「映像はもちろんですけれども、物語そして、日本人の皆さんにとっては日本というものを再認識、良いところを再発見できるようなそんな映画となっていますので、僕らのカバーしている曲も含めてお楽しみいただければと思っています」

 

小林「私この作品を観て、泣きました。ホントに、泣きました。感動しました。日本人が自分たちの日本というものを再発見するということもそうですし、そしてホントに3秒に1週間、一コマ一コマを手作りで、手作業でやってると。これは芸術だと思います。奇跡と言える芸術を、これから堪能していただけたらと思います。」

 

昨年(2016年)の8月に全米公開された『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』。ようやく舞台となった日本で11月18日(土)に公開されます。小林さんや吉田兄弟のお二人も絶賛していたとおり、日本の伝統や文化、思想がよく表現されていて、とにかく美しい作品。ぜひ劇場でこの美しい世界を堪能して、日本を再発見しましょう!

 

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『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(原題:Kubo and the Two Strings)

三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。追手である闇の魔力から逃れながら、父母の仇を討つ準備を進めるクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る―。

 

監督/トラヴィス・ナイト

声の出演/アート・パーキンソン(クボ)、シャーリーズ・セロン(サル)、マシュー・マコノヒー(クワガタ)、ルーニー・マーラ(闇の姉妹)、レイフ・ファインズ(月の帝)

2016/アメリカ/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳/石田泰子

 

日本公開/2017年11月18日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー

配給/ギャガ株式会社

 

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